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社長インタビュー〜オンリーワン米菓メーカーへ〜

ぬれやき煎®️」「半熟カレーせん™️」「焼生せんべい久助」 など、注目を浴びているお煎餅の製造元である『有限会社まるせん米菓』。「老舗が多い米菓業界で、最も若い会社です。」と、町田社長は言う。『まるせん米菓』、そして直販ブランドである『煎餅屋仙七』の誕生と今後の展望を聞いた。


九州での商品開発も成功し、いよいよ「まるせん米菓」がスタート。
8年の歳月をかけて完成させた「ぬれやき煎®️」の販売も始まります

「ぬれやき煎®️」の売れ行きはどうだったのでしょうか?

 店舗を持っていない為、流通の販売しかなく、問屋回りの日々でした。
でも新しい「まるせん米菓」などと言うメーカー、聞いた事もない。
そのメーカーの「ぬれやき煎®️」など見たこともありません。

 データ重視の問屋はまだデータのない商品など、なかなか導入してくれませんでした。そのため色々なイベントに参加しては、試食販売しました。

 お客様に「ぬれせんべいです」と差し出すと、ほとんどの人が「いらない」と言うのです。なぜかと聞いてみると「しょっぱい、湿気てる、パサパサしてまずい」そんな意見が多いのです。10年前自分が開発して流通に出したあのまずいぬれせんべいが、今自分の首を絞めている、そう思いました。

一度ついたイメージを払拭するのはなかなか難しいですね。

 ひるむことなく「一口だけでも食べてください」とお願いしながら「ぬれやき煎®️」を差し出すと、「これぬれせんべい?」と聞かれ、食べ終わると「おいしいね」と言って買ってくれるようになりました。これは売れるまでに少し時間が掛かるな、と感じました。

 そんな中、関東のいくつかのスーパーが導入を決めてくれました。そしてその年の春には一般流通で販売がスタートしました。それからこの商品が広がっていくのに大きな時間はいりませんでした。商品は口コミで広がり、その年の秋には弊社が取引している問屋さん客先の80%に広がって行きました。

 そして、米菓業界に異変が起きたのです。今まで「ぬれせんべい」に一度も目を向けたことのなかった米菓大手の新潟のメーカーはおいしい「ぬれせんべい」は出来ないものと思っていたのだと思います。しかし、弊社の「ぬれやき煎®️」が流通で売れ出すと、新潟勢も美味しい「ぬれせんべい」が出来る事を知り、研究を始め、次々に「ぬれせんべい」を流通に出してきたのです。茨城の創業間もない小さなメーカーが出した1つの商品が、大手米菓メーカーを動かしてしまいました。

大手ができないことをやっているわけですね。

 いつも社員にはこう話しています。
「メーカーは大きい小さいじゃない。どれだけすばらしい商品を開発する事が出来る技術を持っているかだ」と。

今でも色々な商品を開発されていますね。

 色々なメーカーさんと会って話をすることで、製造のたくさんのヒントを得ています。
 うちは、うるち米ともち米の両方をやっている茨城唯一のメーカーです。なので製造においては、可能性は無限ですね。

最後に、今後の展開、そして夢を教えてください。

 真壁に生地工場を建設することですね。地場のお米を使って、生地から100%この工場で作れたら、最高の作りたいものが完成すると思っています。米菓というのは、日本古来の伝統のお菓子なのに、洋風化してきていると感じています。日本古来のおいしいお煎餅を食べてほしいですね。今の機械技術ならば、それができると思います。手作業では難しいんです。

 こういう風にしたら最高のものができるというのは、僕の頭の中で組み立ててます。「ぬれせんべい」もそう。今まで勉強してきたものを形にしていくから、間違ってはないと思います。各メーカーでの正解の部分をつなぎ合わせて、僕の中で組み上げるから。どこのメーカーでもできないですよ。

 地元の米を使っておいしいお煎餅をつくる。これが最終の夢です。


「五感に響くようなものづくり」
このテーマで日々研究を重ね、たくさんのお客様に喜ばれる商品づくりを目指している。
「おいしいね」の幸せを届けたいという思いは、着実に多くの人々に届いている。

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