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僕は仕事が続けられなかった

“僕は、仕事が続けられなかった” 

とある福祉事業所で、
夏の終わりからはじめた
こころのレッスン。 

自分を大切にすること

をテーマに進めた、
つい先日のこと。

今月、入ったばかりだという
彼が、
私のもとに来て、呟いた。

”僕は、仕事が続けられなかった”

期待を受けて、
入った会社を、
3ヶ月で辞めた。

毎日、毎日怒られた。
自分の何が悪いのか、
何ができていないのか、

考えることもできず、
ただただ、頭が真っ白で、
そこに行くと固まった。

人に言われることが、
すぐに理解できず、
人にできることが
自分にはできない。  

ダメだ、ダメだ、ダメだ、
やっぱり自分はダメなんだ

そのうちに 自分で自分が嫌になった。

とても小さな声で、
そう、語ってくれた。

できると思っていたことが
あっけなく崩れて、
持っていた少しの自信も失った。

そうやって、自分を虐めて、
いじめ抜いた先に、
見えたものはあったの?

虐め続けた、その先に
あなたには、
ここが見えたんだよね。

そう伝えると、

何も見えなくなったと思っていた。
けれど、ここが見えていた。
だから、ここに来れた。

そう言って、頷いた。

自分を大切にすること、

それが伝わったのか、
帰りがけに彼が話したこと。

”僕は、また、がんばれてる”

気づいていないかもしれない。
もうすでに、一歩踏み出していることを。 

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