幸せを作る心理学 川田洋一著
選んだ理由
知り合いのご婦人からお勧めされた本でしたが、なかなか読むタイミングがなく、今読むこととなりました。
①マズローの心理学から考える幸福について
マズローの欲求階層説より、五種類に分類される。低次より、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求、が高次となる。生理的欲求とは、人間が生物的存在として生きる為に最低限必要とされる本能的欲求のことである。水、食料、衣服、睡眠、休息が当てはまる。
生理的欲求が満たされた時、人間は幸福感や満足感を覚えます。
安全の欲求とは、安全な社会に生きる権利のこと。
人間は、基本的ニーズ、つまり生理的欲求、安全の欲求が満たされないと冷静な判断力を失い、他の欲求を求めなくなり、人間らしさをなくすという。
所属と愛の欲求について、このことを痛切に感じている人は、人々との愛情に満ちた関係に飢えている。他者との関係や社会への参加を認められた時、この欲求が満たされ幸福感が生じる。
所属と愛の欲求が満たされると承認の欲求があらわれる。我々の社会では、すべての人々が、安定したしっかりとした根拠をもつ、自己に対する高い評価、他者からの承認欲求を持っている。
自分に自信を持ち、他人からも尊敬されるようになることで、承認欲求が満たされ、承認の幸福が満たされることになる。
マズローは、上記の四つの欲求が満たされていても、人は自分に適している事をしていない限り、すぐに新しい不満が生じ落ち着かなくなる。
人は、自分の本性に忠実でなくてはならないとある。
そして、高次の自己実現の幸福を味わっている人の体験を思考体験と言っている。わかりやすい例は、強烈なものとしては、女性の出産がある。
②幸福力を高める心理学的方法について
感謝の気持ちを忘れない人が幸福力を高める心理的技法の最たるものという。次に、人に親切にするということ。これは、自分の善心を行動にしていく事になり、自分の命に善業を刻み付ける作業と言える。
③お金で幸せは買えないことについて
あらゆることが満足できた夢のような状態でも、理想の人生と言えないし、本当の幸せともいえない。
ノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマン氏によると、年収の増加はあるレベルまでは幸福度の上昇をもたらすが、一定のレベルを超えると年収が増えても幸福度は上昇しないという。高収入の人達は、仕事に費やす時間が増えるとともに、ストレスも増えるのが理由の一つではないかという。
気付き
ここにまとめたのは、分かりやすい部分であるが、この本を読んで、心の細かい部分や、自分自身の外の世界とのかかわりあい、そして大きく開いてみると、社会、宇宙…。どうやってかかわっていくのか、改めて考えさせられたと共に、宇宙の法則、世の中の原理原則、私たちの命。繋げて考える良い機会となりました。この本から、気が付いたり感じたりしたことから、安定的な心を保ちたいと思いました。