一筋縄ではいかんね、サンタ業は。笑
「……どこ行ってもないんやけど」
そう子供らにバレないよう、主人が静かに私のもとへやってきた。
そろそろ、クリスマスプレゼントを買わんといかんなぁ、言うて主人に仕事帰りに買ってきてもらう算段やった。
しかし、お店を三軒まわってもないとのこと。
まぁそんなこと言うて定価で売りよるところに行ったらあるやろ。
ってことで、翌日私が買いに行くことになった話。
mission☆トミカシリーズ鬼滅の刃 炭治郎と煉獄を探せ。
朝から軽く掃除をして、YouTubeを見ながら少しだけヨガをしてから近くのショッピングモールへ。
そこは定価で売りよるけん、トイザらスよりは高いけど余っとるやろうと余裕ぶっこいてゆっくりと朝を過ごしたんやけど。
どうしたことだろう……炭治郎と煉獄さんがおらん。
他のしのぶちゃんやら無一郎はおるのに。
うん。
まぁ、落ち着こう。
主人からの情報によると、コンビニでもトミカが売られよるとのこと。
確かに、過去に子供が親戚におねだりして購入してもらってるところを見たことがある。
いざ、コンビニへ。
しかし、コンビニにはトミカ自体がなかった。
結局、品数が多いと思われるトイザらスへ向かうことに。
…………。
なんてこった。
炭治郎と煉獄さんだけがおらん。
他の種類はたくさんあるというのに。めっちゃんこあったんで。
やのに? 炭治郎と煉獄さんだけ?
なにゆえ!!そんな人気なん!?
ちょうど、店員さんがいたので声をかけてみた。
「炭治郎と煉獄さんの在庫ってありますか?」
「それが、先ほども電話でお問い合わせがあったのですが、……在庫がなくて……」
「!!」
これはやばい。
もうどこにも売ってないんちゃん。
ここで私はかなり焦りだした。
けど、今現在、私のモットーは『焦るな』である。
自分に『焦ったらいかん』と言い聞かせて、次へ向かった。
他のお客さんが探しよるということは、もう普通のおもちゃ屋さんにはないやろう。
道路沿いにあるコンビニに寄りながら、自分の直感に従った。
トミカを置いていないとわかっていながらも雑貨屋さん、TSUTAYA、本屋さん、電気屋さんを探し回ったんやけど……。
やばいやん。どこにもない。
私の直感どないなっとんや。
と思いながらお店を巡りよるとき、不意に『赤いカゴ』のイメージが湧いた。
赤いカゴの中に煉獄さんのトミカがあるイメージ。
まぁ、どっかにはあるんかもしれんけどなぁ。
また違うコンビニに寄って、
店員さんに声をかけ「トミカはおいてませんね」を聞くこのパターン。何度目や。
私の頭に過る子供の悲しげな顔。
いや、激怒するか。
どないして、なだめよう……。
そんなことを考えながらも、頭の片隅に浮かぶ赤いカゴ。
なんなん。赤いカゴって。
赤いカゴの中にあるイメージがあるけん、
どっかにあるんちゃうんかって思って変に諦めきれん。
コンビニの駐車場に停めていた自分の車に戻って顔を上げるとひとつのお店が目に飛び込んできた。
それは、西松屋。
そういえば、店内で子供がトミカを物色していたことがある。
ダメもとで西松屋へ。
トミカが置いてある商品棚を見つけるも、
案の定、売り切れ。
とりあえず、店員さんに在庫確認をお願いした。
「これは廃盤なのでないかもしれませんね」
絶望的やん……。
在庫を確認するために、店員さんがパソコンをいじりだした。
やっぱりないんやろうなぁ、と店員さんの眉毛がハの字になっていくのを想像していると、ふと気づいた。
パソコンをいじる店員さんの背後の棚に置かれていたあるもの。
『赤いカゴ』
え。
私の頭の中にあった赤いカゴってこれちゃん。
……いやいや、待て待て。
ぬか喜びになるかもしれんぞ。
そんなことを思っていると、店員さんが去っていく。
そして、戻ってきた店員さんが言った。
「これならひとつありました」
店員さんの手のひらには炭治郎のトミカが。
思わず両手を組んで祈りのポーズをしてしもた(笑)店員さんに笑われてしもたけどそんなん気にしません(笑)
しかも、この店舗に煉獄さんの在庫はないけど、
他の店舗ならあるとのこと。
やったあぁぁー!!!
まじで心の底から安堵したわ。
ナイス、私の直感!
店員さんが問い合わせてくれた他の店舗に取りに行き、事なきを得る。
これで、子供らの笑顔は確定した。
mission complete☆
世の中のサンタさん。
プレゼントの配達準備お疲れ様です。
やけれども、まだmissionは残っとるね。
子供らにプレゼントを届けるまでがサンタ業。
今宵が本番でございます。
楽しみすぎて子供は眠れへんかもしれんけど、
わくわくするん当たり前やけんねぇ。
仕方ないな(笑)
まぁ、サンタ業をこなした後には、
お酒でも飲みましょう。
それではみなさま、
素敵なクリスマスイブをお過ごしくださいね。
*最後まで読んでいただきありがとうございました*
以上、丸家れいでした。