恋愛失敗-中学生編- vol.4(卓球部のあの子)
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中2の新学期
自宅のマトリョーシカにさえお祈りをするようになった筆者。
その祈りも届かず、新学期を迎えました。
あの子は5組で廊下の端。
気づくと、廊下の奥のほうに目をやる感じに。
チャンスはお昼どき。
給食の時、各クラスは奥側の廊下を通って、給食コーナーに取りに行きます。取りにいく担当と配膳担当が月ごとに交代でした。
取りに行く担当なったとき、筆者は5組方向に自然に目をやるようになりました。たまにあの子をみかけて、目が合ったような気がしました。でも、そのあとすぐに筆者は目を逸らしてしまい、あの子から話しかけてもらえることもありませんでした。
卓球部仲間
クラスには卓球部の女の子が2人いました。一人はとても大人しい子でした。その二人は特別仲がいいわけではなく、お互い別のクラスメイトと仲良くしていました。
5組のあの子は大人しい卓球部の子(ゆんちゃん)と仲良しでした。卓球部の朝練に向かうとき、あの子は1組に必ず1組に立ち寄りました。
「ゆんちゃん、一緒にいこ~~」とあの子は声をかけていました。
筆者は、少し不便なところに住んでいたのでスクールバスで通学していました。スクールバスは2本あり、7時台到着便と8時台到着便がありました。地区ごとに毎月どちらの便に乗るかが決まっています。7時台到着便の月の場合、7時すぎには学校に着くので、学校に到着して自習していました。
あの子やゆんちゃんは自転車通学でした。卓球部の朝練は7時半頃から8時半頃まで1時間あります。つまり、7時台到着便の場合、次のメリットがあるのでした。
・あの子が朝練のために1組に来てくれる
・人が少ないので、筆者が目に留まりやすい
・もしかしたら筆者に話しかけてくれるかもしれない
・朝練に向かう2人とばったり会うかもしれない
こんなことを期待しながら、7時台到着便の日はウキウキでした。
チラ見
7時台到着便の月の日、学校に到着した筆者は、教室に入る直前に5組のほうに目をやるようになりました。当然あの子はいません。教室に入り自習を開始します。
7時半になると、あの子は教室にやってきます。
「ゆんちゃん行こ~~」
筆者はちらりとその方に目をやりますが、あの子は特に気づいていないようです。いや、気づかないふりをしているのかもしれません。筆者はすぐに目を逸らしました。
話しかけたい。でも筆者にはそんな勇気はありません。
話しかけてほしいけど、話しかけてくれない。
そんなジレンマを抱えながら日々過ごしていると、チラ見の回数は自然と増えていきます。
エスカレート
朝練の時だけでなく、移動教室の際は「5組と一緒にならないかなあ」と常に考えるようになります。当然、あの子がいるんじゃないかと期待してチラチラ周りを見るようになりました。
筆者の中学校は2年と3年はクラス替えがなく、3年生時も同じクラスになれないのは確定していました。なので、せめて普段のイベント等でいっしょになれないかなあと常に考えていました。
ある日、あの子が廊下を通りかかりました。隣には別の卓球部員がいます。
「ほら、よしおみてるよ(笑)(笑)」と聞こえた気がしました。
そう、筆者があの子が通るたびチラ見していたのは、気づかれていたのです。
あの子が「えーー(笑)」といいながら通りすぎた気がしました。明らかに困ったようなテンションでした。明らかに嫌がっている声色でした。
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