霊能者が語る 妻とのあの世日記 第13回 「いらないものが送られてきた先がお城?」
「で、その送られてきたけど自分は食べない、あるいは使わない品はどうなるん?あの世廃棄場とか、あの世リサイクルショップとかに持っていくんかね?」
「食べ物はリサイクルできないし」
「じゃあ腐っていくのかね?」
「こちらでは腐らないし」
「じゃあ、煮物が好きではない人が毎日お供えに煮物ばかり供えられてたら、それはどうなっていくんかね?」
「溜まっていくんじゃない?」
「とりあえず、僕が送った中でいらんものはどうしてるか、そこ見せてよ」「いらないものは、あまりないんだけど」
「腐りかけの果物でも?」
「あれはいらない」
ということで、ガーデンから移動してその「いらないお供え収納施設」へと案内されていきます。
と言っても、てくてく歩くというか、数歩あるいたら目的地に着くイメージなのであっという間です。
たどり着いたそこは崖の上にあるお城の前。
お城はロードオブザリングに出てきた白いお城のような立派なファンタジーものな感じ。実在する城ではなく物語の中に出てきそうな形ですね。
ここからは妻のガーデンが下の方に見えており、かなりの広範囲に広がったイングリッシュローズガーデンを眺めることができます。
どこかの観光地のような規模ですが、ここを一人で管理できるのであの世というのは時間とかに縛られることがないのでしょうね。
お城にバラ園とかどこぞのテーマパークみたいですけど、スケールが段違いです。
「なんでお城に来たん」
「宝物庫はお城にあるって決まってるじゃない」
「宝物庫?なんでそんなところに」
「どこにいらないのを置いてるか、と聞かれたから」
「その辺のプレハブ小屋とかじゃないんだ」
「そんなもの私のバラ園に置くと思う?」
「角っことかにそっと隠しておいておくとわからんのでは?」
「どこにおいても私には全部見えるから、そんなカッコ悪いのあったら気になってだめだわ」
「もしかして、倉庫がわりにこの巨大な城があるのかね?ガーデニンググッズとか肥料とかおいてあるとか」
「それはガーデンの小屋にあるから、こんなとこには置かないわよ」
とか言いながら、巨大な門の中へと入っていきます。
誰もいないように見えて、さっきのメイドさんのような何かがいて門を開けてくれたり、何かが徘徊してる気配があったりとちょっとホラー的な雰囲気があります。
が、それは彼らが僕に姿を見られないようにしているからのようでして。
「僕が姿見ると何か呪いでもかかるのかね?」
「生きてる人の方が形を押し付けてくるから逃げてるの」
「どういうこと?」
「あなたが、彼らを見て「なになにに出てきたこれこれに似てる」と思ったら彼らの姿がそうなってしまうの」
「それでいいじゃん」
「そうなると、私が感じているイメージと違った場合は、私のお城にあなたが設定した兵士とかが歩いてるようになるの、わかる?」
「ああ、たとえば妻だけだったら少女漫画に出てくるような美形衛兵ばかりを設定してたのに。僕がきて全部「雰囲気的にストームビル状のゴドリック兵だ」とか思うといきなりここがエルデンリングの世界になってしまうってことかいな」
「そうなったらガッカリじゃない」
「さっきのメイドさんは?」
「あなたの認識するメイドと私の思うメイドが同じだから別にいいかなって」
「ミニスカ巨乳猫耳メイドが普通、とか思ってたら出てこなかったということかね」
「そうよ。あなたも私も、メイドというとクラシックメイドをイメージするから問題なかったのよ」
「で、お城の方はお互いファンタジー作品の好みが違うのでキャラが変わるといかんから僕の前には出てこないと」
「そう」
などと話しながら、長い廊下を歩くのですが、雰囲気が薄暗い西洋の城ではなくて宮殿のような感じで重厚な中に豪華な装いがあるところ。
その地下に降りていくと、最も奥のところに木製の重厚な扉が現れてきて。
その奥が宝物庫なのだという話。
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