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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第167回 「残してきた夫や妻の関係についての雑談」

「今日のテーマは恋愛だがね」
「最も縁が遠そうな話持ってくるわね」
「最近、多くの人が興味があるネタが結局これであるという事を知り、なんか一応話を聞いておこうかと」
「あなたにも関連する話だものね」
「まぁねぇ、僕みたいに夫を残して、あるいは妻を残して先立つ人がいるわけじゃん。そのあとで、残してきた相手には良いパートナーが出てくれればいいが、とか思うん?」
「仲がいいならそうじゃないの?」
「中が良すぎて妻が怨念のように取り憑いてて近寄る女全てを病にさせる、とかそういうパターンはある?」
「それは、夫の性格が問題よ。妻に依存してたからそんな気分になるのよ」
「じゃあ取り憑いたり、夫を独占しようとする妻の怨霊とかは無い?」
「夫がそう感じることはあるけど、妻は多分気にしてないわ」
「その仕組みは、罪悪感とか果たされぬ許しとか、そういうもので感じるんかね?」
「あなたはそんなこと思ってないの?」
「多少はあるけどね。あの時こうすればって普通はあるがね。でも介護でもなんでもできることはやったので、まぁ妻に義理は果たしたかなと思えてるよ」
「じゃあ私を介護したことで罪悪感は無くなったのなら、それも意味があったことよね」
「介護してて思ったのは、残されるものが「後悔なく」相手を見送るためのプロセスなのではないか、と感じたね。だからできることは全てやる、そんな気分になったよ。おかげで寝る時間が減って死にそうになったけどね」
「2週間くらいじゃない」
「まぁそういう考え方もあるという話。
で、残された夫が罪悪感を抱えたままの場合は、妻の霊が取り憑いてるとか霊能者に言われてお祓いすることになったりすると」
「霊能者はどうかわからないけど、それで気分が晴れるならいいじゃない」
「実際は?」
「私だったら、死んだ後のあの世はやることたくさんあるから、そんな恨む暇ないと思うわよ。ただ、これも亡くなった方の生き甲斐が夫とか子供だった場合はどうなるのかしらね」
「始終あの世から見守ってくれてるってことかね?」
「うーん、そういう人と出会ってないからわからないけど」
「妻がその立場だったらどうなると思う?」
「こっちからそっちを見るには、そっちからの意識が大事って言ったでしょ。生きてる人があの世の人に意識を向けると、その時間帯を見ることができる。だから、こっちの私を意識してくれないとその時のあなたが見えないから」
「そうなると、妻はあの世で残してきた夫のことを気に病んで、夫は自由になった独り身を謳歌してる場合とかはこの妻どうしたらいいんかね?
多分死んだ妻のこととか一切気にせず遊び呆けてる可能性大やん」
「さぁ」
「さあって」
「私はそんなこと考えるよりもバラとか猫とかお父さんとか色々あったりやったりすることあるからあなたのことは特に気にしてないし」
「逆パターか。では、夫が若い恋人作ってウハウハしていこう、とか決めた場合は援助してくれるんかね?」
「それ現実的にあなた無理でしょ」
「まぁ僕はあり得んと思ってるけど他の人のパターンはあるじゃん。解放された喜びでタガを外すってやつ。
僕は逆パターン聞いたことあって、老人の域になってから夫が亡くなり、その後奥さんが高齢AV女優(超熟女系?)でデビューして楽しく過ごしてるという人。まぁなんというか、その人が楽しいならいいんではないかと思ったけどいろんな人生あるな、と思ったね」
「それは、何か・・・私には考えられないパターンね」
「でも人間、いろんな生き方があって、需要があって成り立ってるんだなと思って面白い話だと思ったよ。あと、一部の人には選択肢としてありという話だよね」
「あなたそういうの見るの」
「いやぁ、普通は同年代くらいに好意を持つ相手の意識が向くやろ。上とか下だとちょっとねぇとなるよ」
「私には向けてたじゃない」
「それは、なんか結婚しないといけない、って天啓があったからだよ」
「そういう人が出てきたら、また恋愛でも結婚でも考えてみたらいいんじゃないの」
「もう天啓とかなさそうな気はするけどね。人生経験積んでしまったので濁った目で世の中を見るようになってるから」
「私をみた時は濁ってなかったのかしら?」
「童貞だったからね。女性というものを知らないまま魂の動きだけで判断したって感じだよね。だから純粋に選択することができたってことで」
「今は?」
「人間の性欲、金銭欲、あらゆる欲望をぶつけ合った上での妥協した合意点が結婚ではないか、と思えるのでかなり濁って偏見を持った目で自分のことも、相手のことも見るようになってると思うよ」
「残りの人生、それでいいんじゃないの。その時その年齢でしか経験できないことあるんだし。なんか自分でいいようにしてみれば」
「とりあえず、恋愛はさておいて新しいバイク買おうと思うがね」
「去年買ったじゃない」
「今度も入れ替えで違う性質のバイク乗ろうとか思っててね」
「あなたがバイク好きでよかったわ。
私がいなくなってから次々女を乗り換えるとかそういう性格じゃないから」
「女だったら事故る可能性あったってこと?」
「あるわよ。今後も気をつけることね」
「そういう話聞くと、どういう状況が危ないのか教えてほしくなるがね」
「その時に私を思い出してみたら?教えてあげるわよ」
「そんな余裕があるのかどうなのか」
「そんな余裕がないくらいの時が危ないってことね」
「なるほど」



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