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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第174回 「割と聞くことがなくなってくる感じ」

「あの世の話はもっと広がるかと思ったけど、割と広がらないね」
「話の持って生き方が下手なんでしょ」
「というか、自分的には探索しててほどほどわかってるから、今更こんなこと聞いてもね、というのあるけど」
「自分がわかってくると結末がわかってるから聞いても面白くないと」
「ネタがわかってることを聞くのはそんなもんやん」
「あなたの未知の話を聞いてみればいいんじゃないの」
「未知の話か、なんかこう、死んだらわかるからまぁいいか、って気分にもなるんだけどね」
「生きてるうちに知りたいことない?」
「死んだ後のこと心配するよりも、今生きてる状態をもっと有意義に過ごすべきと思うんだが」
「それは、あの世を知った人の話す話よ。知らない人はいつまでも不安になるし恐れもあるのよ。消えたらどうしようとか」
「あの世にで消えてる人は見たことないから、それは大丈夫やろうと思ってるし」
「その経験がない人は恐れるのよ」
「僕もそういえば、足がつかない海の深いとこは、ずーっと入ることできんやったね、小学校の時とかしたから怪物が来て食べられるんじゃないかとか、足引っ張られるんじゃないかとか怖くて泳げんやったよ」
「それは極端だろうけど、未知なるものは怖いでしょ。今はどうなの?」
「いざという時は泳ぐけど、足が届かないとこで好んで泳ごうとは思わんね」
「脂肪ついてるから浮くでしょ」
「そもそも、水泳自体20年くらいやってないんじゃないかって思うよ」
「プール行った後に泳いたことあった?」
「どこのプール?結婚してから泳ぎに行ったことあったっけ?」
「ない」
「なら多分子連れでも行ったことないが」
「一緒に泳いだことなかったんだっけ、考えてみると生きてる時に一緒にできなかったことって割と多いわね」
「割と、ではなくて結構多いがね。忙しい働き盛り子育て盛りの時はお互い余裕もないし」
「老後の関係もなくなったしね」
「老後に共に旅行行くという考えもなくなったね。その前に、妻が生きてたら猫がもっと増えてた可能性があるからいつまで経っても旅行に行けなかったかも」
「どっちか残ればいいじゃない」
「一緒に旅行ができんってことやがな」
「それはそれでいいじゃない」
「若い時に散々旅行してきた人はいいだろうけどね。僕みたいに仕事し始めて、35超えてからやっと東京とか行ってるような人間だから、老後の夫婦での旅行タイムを楽しみにしてたんやがね」
「もう無理じゃない」
「そういう願望は死んだら叶うとか言われても、生きてるうちじゃないと意味がないものもあるよね?」
「仕方ないじゃない、そうなったんだし」
「基本的に、理不尽な現実世界を健やかに生きる希望として、あの世の概念があるんだと思うんだけどね」
「希望になる?」
「消えてなくなるのではなく、そこに魂のデータが存在してると思うなら消えたことにならないから、少し安心はするやろ」
「完全に消えて無くなるのが怖い、というのも一つの囚われよね」
「人間は自分自身が消えてなくなるのが怖いから、先に死んだ人の情報が消えていくのも怖いと感じるんやろて」

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