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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第125回 「飲むと五億円もらえる薬と、死んだ人を誰か生き返らせていい薬と」

「今日Twitterでこういうの流れ来てね。
飲むと5億円もらえる薬と、飲むと死んだ人を誰でも生き返らせてくれる薬と、あとんなか2種類あったけど忘れたけれど。
どれを飲む?という話」
「あなた五億円飲むでしょ」
「そりゃね」
「妻を生き返らせて、とか思ったりしないの?」
「先日、生き返りたいとは思わないみたいなこと言ってたじゃん。ならその意見を尊重するだけやが」
「私が生き返りたい、我が子の成長をあなたと二人で見届けたい、とか言ったらどうしたの」
「生き返る薬の方を選ぶかな」
「ほんと?」
「その時の状況によるかも」
「割と淡白よね」
「生き物の生き死にを操っていいのか、というのは常にあるからね。死んだものを生き返らせるのは宇宙の仕組みの何かを壊す感じがあってね。
だから、多分選ばないと思う」
「それは自分の中にある宗教観的なものかしら?」
「こんな感じであの世とかこの世とか、感じ取れるようになると死は別れではなく循環の途中の一つの形なのだから、勝手に止める、戻すことは良くないのではないかって思うけどね」
「もう一度私と会いたいとか思わないの?」
「そりゃ思うけどね、ただ、自分が死んだら会えるならその時でもええかな、それまで人生を満喫する生き方もありかな、とは思うよ」
「おひとり様を楽しもうとかいうことね、若い嫁とか捕まえて行こうとか思ってるんでしょ」
「若い人と話が合わんが。ストレスになることは極力避けたいので、よほどのご縁がないとそういうのは考えんよ」
「私がいない隙にバイクガレージ作ったり高いバイクとか買おうとか思ってんでしょ」
「何かを失ったら、何かで補うしかないがね」
「だったら、私が生き返ったら補う必要は無くなるじゃない。大型二輪免許も取らなくていいわよ」
「多分、生きてたらそんなこと考えないし、ガレージも作らんかったやろね。でも、いなくなったからこういう生き方をするようになったから、今更戻ってこられてもね、ってのはあるよ」
「なんで」
「家がせっかくスッキリなったけど、戻ってきたらまたごちゃごちゃになるやん。それに結構物捨てたから、文句言われそうで怖いし」
「文句は言うわね、本棚とかバラしてから勿体無い」
「邪魔やが。後一つもバラす予定やが」
「勿体無い」
「でも、それがあることで僕の生活の負担になるから、猫の世話とか誰かしてくれるなら残してもいいけど。
そんなヘルバーを呼ぶことはできんやろに」
「呼んであげようか?」
「いや、そこまでして本棚を守りたいか」


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