日本と外国の『無宗教』の考え方の違い
日本人の多くは『無宗教』と言われている。たしかに決まった教えに従って行動をすることはないだろう。
ただ日本人の考える『無宗教』と外国人の考える『無宗教』は意味が異なる場合がある。
日本人の場合
決まった教えに従うことはないが、様々な宗教イベントに参加する人は多い。例えば初詣やお盆など仏教のイベント、節分や七五三など神道のイベント、感謝祭やクリスマスなどキリスト教のイベントがある。
それらの由来が宗教関係であること自体を多くの日本人が知らない。知っていても宗教を意識していない。
あくまで特定の教え・宗教にのみ従っていないので、宗教を持たない=宗教無し=『無宗教』という考えである。
外国人の場合
敬虔さは違えど多くの人が何かしらの宗教を信仰している。イベントに関してもイベント自体の意味や教えを元に行動・参加している。
そのため特定の宗教を持たない『無宗教』人のことを神自体を信じていない人=『無神論者』と捉える人もいる。
そのような人の場合、『無宗教』が多い日本人のことを自分の宗教(信じている神の存在)を否定する人たちと捉えてしまい怖がる人もいるのだという。
『無神論者』
日本人に「神を信じているか?」と質問すれば否定する人は多いだろう。しかしながら日本にはコンビニの数よりも多くの寺社仏閣が存在する。神を信じないのに神を祀る場所が大量に存在するなど外国人から見れば意味が分からないだろう。
日本人の感覚としては他の宗教が敬うような『偉大な神』、特に『一神教』の考えは理解しにくく、そのようなものは信じていない=『無神論者』ということだろう。
実際には参拝やら神頼みなど日常的に神に触れるような行いをしているのだが、宗教行事としての感覚が無いことも『無神論者』という認識へと繋がっているのかもしれない。
2023年の記事
日本人の神の捉え方
日本には八百万の神(やおよろずのかみ)という言葉や付喪神(つくもがみ)という言葉が存在する。これらは多くのモノに神が宿っているとか、長年愛用したモノには神が宿るといった考えである。日本人の考える神とは非常に身近に存在するものであり、共に歩んでいくものという考え方が根強くある。
また良いことのみならず、自然災害などの悪いことも神として捉えている点は外国人の信ずる神との大きな違いである。
最後に
いわゆる宗教の教えは「信ずるもののみ助ける」というものが多い。本当に全知全能の神様であるならば一人残らず助けて欲しいものである。ある意味、薄情であるともいえる。
日本人の考える神様像は寄り添いあうものであるため、その辺りの考え方が合わず『無宗教』が多いのかもしれない。まぁ「お前は信仰しているから助けるが、先祖は信じていなかったから地獄行き」などと言われたら信仰したいと思えなくなる。