冬の始まり、寂しさの感触
昔、音楽を聴くと必ず恋人を思い出して幸せになった。
今では、音楽を聴くと思い出す人がいないなと寂しくなる。
好きな季節は冬。
寒い寒いと言いながら人の温もりを感じるのが好きだった。
散歩が好きな私にとって冬になり始める今の時期ほど至福な時間はない。
そう思いながら街中を歩く。
そういえば、隣で一緒に歩く人ももういないんだと思う。
駅から家までの帰り道。
いつも恋人と電話をしてその日の出来事を話した。
今では寂しくならないようにYouTubeを見ている。
私は昔からアナログ人間だと思っている。
感じている気持ちもなるべく言葉に起こしたい、
手紙のやり取りも好きだし、
なにより電子化・ペーパーレス化を謳っている今の世界が苦手だ。
置いてけぼりにされている感じがして悲しくなる。
周りを見渡せばみんなスマホにとりつかれているように感じる。
そんな私も同じだ。
そして、そんな自分が嫌になる。
今日は寂しさを埋めるために帰り道に見ていたYouTubeを見ることをやめた。
代わりに寂しさを感じてしまう音楽を流した。
いつもと変わって姿勢良く歩いてみた。
すごくいい気分になった。
この冬の寂しささえも心地よく感じた。
彼氏と別れて5ヶ月。
こうやって年月を数えている時点でまだ吹っ切れ切れていないのかなと思う。
事実まだ考える日もある。
だけど、強くなったと思う。
別れたら忙しくするといいと言われる。
私にはあてはまらなかった。
別れたら寂しさに慣れる練習をするといいと思う。
寂しさを埋めようとするのは逆効果だった。
だからこれからは音楽を聞いて、
姿勢良く前を向いて帰ろうかな。
1人で過ごす冬すら楽しいって思える2024年になりますように。
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