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長い壁

実家から東、西それぞれ3キロくらいだったか行くとどちらにもやたら長い壁のような山があって高さはどこでも30メートルてとこだろか、それが何キロも続いている。
子どもの私にとって家からそれなりに遠かったが、それでもたまに近くに行くことがあると不思議で色々と想像した。
壁の向こうに街が広がっているとか、すごく深い森なんだとか。
ぼやっとしていたせいか大人達に聞こうとも思わなかった。そんなだから私自身が大人になる頃になってやっと学校で教わったことと結びついた。
西の壁は三方原台地の、東の壁は磐田原台地の端っこの部分だったのだ。だから登ってみると向こう側へ行く感じではなくて高い所に来たはずなのに見渡す限り街や畑が広がってたりして、変な感じがする。
子どもの頃の自分がこれを知ったら失望するだろうか?今となってはそれも分からない。でも想像の街は美しかったし森はグリム童話やディズニーの世界だった。そういう空想を持つ子は今もいるかな?そもそも私以外の子はそんな風に考えたりしていたんだろうか?

“西の壁”

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