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2020年6月からパワハラ防止法が施行

パワハラ防止法の成立・施行

2019年5月29日にパワハラ防止法が成立しました。この法案は、大企業2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日から施行されます。

この法案を簡単に説明すれば、

 ・パワハラ行為があったことを従業員から相談を受けた企業側は、適切に対応できるような体制等を整える。

 ・パワハラを防止することに従業員に事業主も努力をしていく。 以上の内容が規定されています。 

この法案を破った場合には罰則はなく、あくまでも努力義務であるというところが現状です。

もちろん、そのパワハラが暴行罪など犯罪の成立要件を満たして有罪になった場合には、罰則が適用されます。

パワハラの裁判事例とは?

近年パワハラに関する裁判も多数存在します。裁判になるようなパワハラ被害例はどんなものがあるのかというと・・・

**厚生労働省明るい職場応援団裁判例を参考に作成        

・上司は、以前から怒ると部下を怒鳴りつけたり、物に当たる人だった。ある日激昂した上司が投げたものが部下の顔に当たり、通院が必要となるケガをした。上司からは謝罪もなく治療費などを請求しても自分の行為は指導の一環であると正当化された。

<違法な暴行として不法行為への該当が認められた例>
何ら正当な理由もないまま、その場の怒りにまかせた行為であることから、違法な暴行として不法行為に該当すると認定された。

→部下のミスであったとしてもミスを指摘する際に個人や個人の人格を傷つける行為は行き過ぎた指導であるとして違法行為であったと認められた一例。


・上司から交際を迫られ、断わったところ職場で自分の不利になるような根も葉もない噂を流された。さらに自分のやった仕事のみ何度もやり直しを命じられ、残業が続いたため体調を崩して休職せざる負えなくなった。

<労働契約や就業規則を超えた命令であると認められた一例>
労働者は、労働契約や就業規則に定められた範囲内で労務の内容及び労働時間・場所等を裁量により決定し、業務命令によってこれを指示することができるが、それらを超えた命令だったと認められた一例。

→外形的には業務命令により指示できる範囲だったとしても不当な動機・目的で発せられ、労働者が不利益を与える場合には、そのような命令は違法であるとされます。

どの被害がパワハラと呼んでいいのか、訴えてもよい事例なのかなど迷う際には過去の裁判事例や判決のポイントなどを調べて自分の被害事例と比較することもよいかもしれません。


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