パワハラ被害の実情
パワハラ被害の症状や解決方法には男女で違いがある
金森(2019)では、パワハラの特徴には男女差があることを報告しています。
この研究は、1006名(男性503名、女性503名)の社会人にインターネット調査を行いました。
調査内容は、
① 過去、パワハラを受けたことがあるか?
② そのパワハラは6項目(身体的な攻撃/精神的な攻撃/人間関係からの切り離し/過大な評価/過小な要求/個の侵害)のうち何に該当したか?
を問うものでした。
結果
① 過去、パワハラを受けたことがあるか?の問いには、男女とも8割以上の人が該当すると回答しました。
② パワハラ6項目のうち上位3つを図に示しました。男女ともに精神的な攻撃が大半を占めるという結果でした。
パワハラ6項目のうち上位3つを図に示しました。男女ともに精神的な攻撃が大半を占めるという結果でした。特に悪口、陰口などは男女共通で第1位です。
また、2位以下には男性間と女性間ではパワハラの内容に以下の違いがあるようです。
男性「理不尽なことの強要、暴言や高圧的な態度」の表立ったパワハラ行為が多い。
女性「仲間外しや無視」などの影でのパワハラが多い。
このように、男性間と女性間ではパワハラの内容が異なる結果が出ています。パワハラの質に男女差があるということは、症状の出方や解決方法にも違いがあることが予想されます。
例えば、
男性:被害をだれにも相談せず限界まで我慢して症状や状況が重症化する。
女性:「人間関係の問題」として扱われ、結果として被害者が職場を退職することで解決が図られることが多い(厚生労働省,平成28年度報告より)。
以上のように、男女ともに多くの人がパワハラを受けたことがある点は共通でしたが、その受ける被害内容やその後の症状の出方や解決方法に関しては男女差が認められています。
引用文献
金森史枝. (2019). 職場における女性間ハラスメントの特徴. 現代ビジネス研究所紀要, 4.
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