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「たばこを吸ってる女は嫌だ」 勝手なわがままを、君は煙と共に吐き出した。 君が知らないわたしの密かな楽しみは 行きつけのバーで、ちょこっと酔うこと。 そして帰り道でひとり、冷えた身体をあたためる。 慣れない匂いに咽せる、粋がってふかす白い息。 わたしはもう大人になった。と背伸びをして。 眠たさと興奮が交差する。 今宵は遠回りをして帰ろう。 君は、来週帰ってくる。
わがままだって、理不尽だってぶつけたい。 今はそんなこと出来るはずがなくて。 積もってゆく。ふつふつと。 まだ大丈夫だと、抑え込む。 気づかれないよう、取り繕う。 悲鳴が聞こえる、決壊寸前。 水ぶくれを潰すように、 かさぶたを剥がすように、 痛みが流れてゆく。 ひとたび増える、消えぬ跡は わたししか知らない証。 白い煙であの日の記憶を蘇らせよう。
日本社会は腐ってる、なんてよく言うけど。 年功序列、意味のない上下関係。 年齢でしかマウント取れない先人たちが すがってきた文化なのではないかと。 年数じゃなくて、技術で勝負したい。 よくいる年上の新人バイトにため口聞くフリーター。 若者や新人には尊敬できないの? すでに終わった業務を相手に後出しにして、 技術の出し惜しみが良いなんて到底思えない。 無能、無能、無能。 こんな社会だから、 日本は衰退途上国と言われるのだと。 オンラインサロンに入
わたしの中に訪れる幸せなんて所詮は刹那的で そう、長くは続かないものであると思っている。 天然、じゃない。気づかないフリしてるだけ。 温厚、じゃない。自分を殺しているだけ。 痛みを被ればいい。だけど。 いちごのショートケーキをぶちまけたい。 大嫌いだと言い放ちたい。 誰よりも、いちばん愛してあげたい。 そんな生き方望んでたのに。今だって。
線路沿いのあのライブハウスとか、 テントの中で飲むお酒とか、 当てもなく歩いた裏道とか。 想い出は町とともに消え去ってゆく。 なにかに追われて追っ掛けて、 常に満足できない毎日で。 小さな幸せなんて気にも留めようともせず。 わたしが忘れても、きっとあなたが覚えている。 そんな記憶と記録。 跡は、消えてくれない。