シダ類など、ひっそりと
その日は、所属しているグループの集まりで久しぶりに私も顔を出した。初めて来てくれた人たちが数人いた。
私は、前回のような違和感を感じることなくそこにいることができた。その日集まった人たちとの会話はシダ類の混ざった藪のような柔らかな印象だった。なぜかな?どこが違ったんだろう。
私は普通に話をすることができたし、立ち上がりたくなるような強い衝動に駆られることもなかった。
初めて出会った人は淡々と自己紹介をして自分がこの街で何をしたいか真っ直ぐに語っていた。それは私の心にもスーと入ってきた。前回の”夫が料理ができない”自慢のようなささくれだった空気はなかった。あれは、きっとただ口から出てきた言葉で心の中では本当はどうでもいい世間話だったんだ!と今、気づいた。