占い師は情報発信せよ

　前にも一度似たようなことを書かせていただいたが、占いというものが信用できない。きっと多くの人だって心底信用してるわけではないとは思うが、雑誌などの紙媒体はもちろん、ネットにもありとあらゆる占いの類があふれかえっている。いや、遊びや暇つぶしでやるのは構わない。個人の趣味や娯楽としてならどんどんやればいい。しかし真実を伝えるべきTVの朝の情報番組の中にさえ占いが発信されていて、ハラが立つのは断定的な言い方で誰が言ったかもわからないし確証もないようなことを、視聴者に押し付けてくることだ。曰く『◯◯座のあなたの今日は・・・』みたいなアレである。最近ではよく当たると評判になっいるスター占い師もいるようで、メディアへの露出にも忙しくされているように思える。

　私自身初対面の人に血液型を訊かれることが少なくないが(特に美容師にはそんなことが好きな人が多い)、そんなものは場末のスナックで鼻の下が伸びきったオッサンの相手をするためのツール位にしかならないと私は思っている。しかし世間でネタにされるのは血液型だけではなく、手相だ、支柱推命だ、星座だ、姓名の画数だ、方角だ、人相骨相だと、ホントこの世には占いや運命鑑定に類する胡散臭いものがよくもまぁこんなに溢れていることだ。

　街で見かける占い師の名前がこれまた笑わせる。なにやらご大層でその道の大家っぽい、例えば『 〇〇紫麗』とか『〇〇鳳龍』(いずれも創作です)みたいな絶対本名じゃないあの芸名はなに？　あなたは何者？　俳句や書道の人にも見られるあのイチビった「私ってスゴいのよ、俺ってスゴいんだぜ」感は本当に鼻につく。

　そんなにスゴいって思ってほしいなら、これから起きる災いを予測してほしいものだ。日本は地震大国だ。台風や大雪もある。天災以外にも京アニやこないだの北新地のクリニック(私の娘が一時かかっていた病院の先生が偶然当日そのクリニックに来院していて亡くなっている！)の自爆テロのような事件、今だったらコロナ感染についての情報など。
　危険予知の観点からこれらを予測して、政府や地方自治体、また世の人々に周知させたらよかろう。わかるのならば、だが（そんなことが本当にわかるのならギャンブルで大儲けしてるか・・・）。

　絶対やってはいけないのは、災難が終わってからゴチャゴチャと後付けの理屈を並べることだ。何度かＴＶでそんな場面も見たが、恥ずかしくなってこっちが見てられなかったことを覚えている。

　これまでに占いで生計を立てている何人かと話をしたが、半数以上は本人がハナから自分がやってることはインチキだとわかって金を儲けようとしている輩だった。そりゃそうだ。立証などできるはずはない。したり顔で鑑定料など取る行為は、詐欺罪にはあたらないものなのか。エビデンスが得られない効果効能を表示すれば薬事法違反や誇大広告だとすぐ叩かれるし、オレオレ詐欺や振り込め詐欺は立派な犯罪なのに、上手いこと言って確証のないものを弱者に買わせる行為は人の道に外れてはいないか？　どうして占いだけにそんなことが許されているのだろう？