君はロッドを巻かない
あいみょんが好きだ。声量があって歌が上手だってこともあるけど、彼女のやり切れなかったり悩んでいたりする気持ちをまっすぐ訴える歌詞が響く。こんなオッさんにはなった私でも、上手く生きられなかった自分の遠い遠い日々を思い出させる。ライブの抽選はなかなか当たらないけど、それでも幾度かあいみょん目当てに城ホールや音楽堂に見に行く機会をいただけたし、満員の甲子園球場では彼女のこれまでの道のりをしみじみ感じて涙が出た。
あいみょんの名曲で、今の人気に繋がる導火線になった(と私は思っている)『君はロックを聴かない』をリスペクトして、語呂を合わせた曲をシリーズで考えてみた。お前ホンマにリスペクトしてんのか? と言われそうなんだけどそこは間違いない。
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「君はカッパを食べない」恋愛編
モテない男が、今夜こそと寿司をごちそうしてるんだけど、女の子の方はトロやアワビなんかの高いヤツばかり頼んだ末に バイバイしそうな、哀れで滑稽な男の歌。
「君はキックを決めない」スポーツ編
試合時間である90分間、ピッチの中で常にいい判断や動きをするくせに、ここぞ!というときにシュートを外すサッカー選手。決定力がなければ海外は遠いということを戒めた歌
「君は切符を買わない」犯罪編
キセル乗車の歌。そういえば最近『キセル』という言葉も聞かないし、キセルそのものを見ていない。分厚い紙の切符に、改札の駅員が一枚一枚入鋏した模様(駅ごとに違う)があったことを思い出す。
「君はシットを見せない」恋愛編
モテる自分の彼氏。本当は心配で仕方ないのに、全然気にならないようなフリをして強がる 健気で可愛い女の子の歌。
「君はシップを貼らない」健康編
腰痛持ちの先輩が、初めてギックリ腰になってしまった後輩に克服法をアドバイスするという先輩後輩の美しい関係の歌。
「君はジャップと言わない」社会編
いわゆる東京裁判の際に、有色人種に対する差別に抵抗した、誇り高きインドのパール判事の実話を元にしたドキュメンタリーソング。後に映画化された。
「君はソッポを向かない」女性活躍編
何があっても常に夫をたて、控えめで貞淑な妻。ゲス不倫という裏切り行為が発覚した時にも、決して夫を見捨てず支え続けるという 旧態依然たる妻の姿を高らかに謳う。女性各団体からは大ブーイングが湧き起こった。
「君はチップを出さない」文化編
海外に来たのに毎日の枕銭を惜しんでいる、日本のツアー客である高齢者たちを皮肉る歌。
「君はパックを剥がない」美容編
普段パックなんてしない男から見たら 恐ろしささえ感じるあのパック顔。暗い所ではほとんどホラーにもなってしまう黒のパックの怖さを歌った男子目線の歌。
「君は葉っぱを食べない」健康編
肉類以外は嫌いで、野菜を食べない最近の若者の特徴を鋭くえぐり、栄養の偏りに警鐘を鳴らす肉礼賛ソング。
「君はマックと呼ばない」文化編
かのハンバーガーショップのことを『マクド』と呼ぶ関西人の彼女に違和感を持つ男のつぶやきの歌。だって『マック』っていうと睨まれるんだもん。
「君はムックを知らない」家庭教育編
「ポンキッキなんか見ちゃダメって言ったでしょ!!」という偏ったしつけで育った姉妹が、現実社会で力強く生き抜いていく姿に送る応援ソング。
「君はモップをかけない」生活編
最近よく見る 掃除ができずにごみ溜めのようになってしまった汚部屋に生息する、出かける時の姿だけはおしゃれできれいにする女子たちを風刺した歌。
「君はユッケを食べない」健康編
O-157などの食中毒をきっかけに生レバーや生肉の提供の規制が厳しくなった。食品衛生の意識向上を狙った厚生労働省発の啓発ソング。
「君はマップを読めない」ジェンダー編
発売直後に男女平等を叫ぶ団体からの反発があり発売中止となった、男女脳の違いを鋭くえぐる禁断の一曲。
「君はロッドを巻かない」美容師編
本シリーズ総まとめの締めくくりソング。ロッド巻きが苦手であるにも関わらずヤル気のない新人美容師が、国家試験に臨むにあたり、先輩が必死で指導しているという場面の歌。
ま、今日はこれくらいにしときます。
ゴメンなさい。
引用・参考 あいみょん「君はロックを聴かない」