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大阪LOVER

 斬新で軽快、かつ繊細なメロディを持つ楽曲、またその曲を卓越した声量と歌唱センスで表現する吉田美和さん。今さらながらだが dreams come true  は、完成されたエンターティナーだとしみじみ思う。良い曲は数々あるけれど、好みを言わせてもらえるなら『 LOVE LOVE LOVE 』か『 やさしくキスをして 』あたりかなぁ(今年還暦のジジイが言うことでもないかwww)。

 USJのジェットコースター、バックドロップ(ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド )は、後ろ向きにブッ飛ばすことで大人気だが、5つの曲の中から選んだ曲が疾走中ずっと大音量で鳴り続けるような仕組みになっている。その5曲中の1曲がドリカムの『大阪LOVER』だ。大阪だから『大阪LOVER』って、随分安直な気もするけど、私の周りの乗ったことがある人に聞くと結構な確率でこの曲を選んでいた。

 さてこの『大阪LOVER』だが、作詞をしたボーカルの吉田美和さんが北海道出身であるのは有名な話だが、ということは大阪のことは深くは知らない(んじゃないかな?)と思う。だからUSJのアトラクショクンのために制作を依頼され、書き下ろされたこの曲を作るにあたっては、ご自身で調査されることもあっただろうが、リアルな情報として大阪のことを良く知る人の経験や知識の伝聞を元に作られた(に違いない)。きっとその大阪人が提供した情報の方が、ご自身でググったものより信頼度は高かった(はずだ)。

 しかしイチャモンを付けるわけではないが、大阪に長らく住んでいる私には、なんだか違和感を感じてしまう箇所がある。イヤ私とて『出』は長崎の離島だ。しかしここ大阪に半世紀住んでいる。そんな私が『ん?』と思ってしまうところが少なくないのである。まぁ当初からこの曲は大阪人の中でも特に文句言いの奴らがゴチャゴチャ言っていた経緯はある。例えば、いくらなんでも御堂筋が一車線しか動いてないとかあり得ん!みたいな言いがかりである。私はそんなことはクス笑い位にしか感じないが、この度ある重大な仮説を立てた。それは吉田美和さんに情報提供しているであろう大阪人はヤンキーであるというものである。今回はその説について語ってみたい。

根拠その1 『ツレ』の取扱い
 ほとんどの女性は友達のことを基本『ツレ』とは言わない。その言葉を自由に使うのはほぼ男性である。しかし確かに一部の女性は日常的に友達のことをそう形容する。その一部の女性とは、ヤンキーあるいは元ヤンキーだった一群である。
 『あなた以外にツレはおれへんのよ・・・』。OLさんは普通そんなこたぁ言わんのだ。そんな言い方をするのは間違いなくヤンキーなのである。

根拠その2 『通天閣』のポジション
 曲中にある通天閣のポジションが高いと思う。東京の人にはわかりにくいかもしれないが、大阪人の多くは東京タワーと通天閣を並列することなどないだろう。通天閣はあまりにギャグであり、ポップでシティなTOKYOのハイソな雰囲気とはかけ離れているからだ。しかしヤンキー独特の『負けたくない』『負けてない』といった、意地を張るような独特の価値観が歌詞中に見え隠れするではないか。もちろん大阪人は通天閣が嫌いなわけではないし、むしろ大好きだ。あえて例えるなら東京タワーは俳優、通天閣は愛すべきお笑い芸人だということだ。

 以上から吉田美和さんへの大阪人情報のアドバイザーはヤンキー、あるいは元ヤンだと断ずるのだがいかがだろうか。考えてもみよ。この歌に出てくるカップルがそれぞれヤンキーであるからこそ、東京からはるばる会いにきた彼女を、スウェットで新大阪に迎えに行く精神にも合点がいく。しかもその格好で改札口まで行ったのならその男は真性のヤンキーであり、間違いなく履物はつっかけだったはずだ。

 逆から見て、大阪人であの歌詞に違和感を感じない、また同調できる人は、間違いなくヤンキーあるいはヤンキーのDNAを持つ方々だと思うのだが、あまりに偏見が過ぎるだろうか。

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