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学校感染症 2

 実は感染症の分類分けには『類』以外にもいくつかあって、そのうちの一つが本稿のテーマである『学校感染症』における分け方である。学校内での感染予防や蔓延防止の観点から、別に定められた分類であり、我々学校関係者はそれを運用している訳だ。学校感染症は第一種から第三種までの3つのカテゴリーに分けられている。第一種は前述の第一類と第二類の感染症がそのまま入っている。
 思うにこのあたりのややこしさは日本の省庁の排他的な(非)協力体制の表れのような気がする。だって『第一』と『第一』なのである。厚労省と文科省の調整で難航したのだろうか? もしそうだとしたら政治家にはもう少し 合理的な民間の血を入れるべきなんじゃないのかなぁ。

 次いて学校感染症の第二種は、罹患も多く 学校において流行を広げる可能性が高い感染症の中で、飛沫感染するものである。『第一種 ➡︎ 第一類と第二類』で、『第二種 ➡︎ 飛沫感染するもの』って一体どういう分類の仕方なんだ? 一種と二種では分ける基準が違うから、ビジネスでいうところの いわゆるミーシーではないではないか。

 へんてこりんな分け方ではあるが、ともかく現在の規定において 消化器系ではなく呼吸器系の疾患だけが抽出されて別枠を貰っているのは、衛生観念が向上した結果、消化器系の感染症は学校で蔓延することが少なくなったからだと思う。厚労省や文科省を擁護するわけではないが、我が国において赤痢やコレラが流行する可能性が高かった時代と今では トイレの構造が違うし、生活様式も激変しているからだ。

 第三種感染症の中には『その他の感染症』という別枠があって『その病気 流行するかも・・・』ってなった時に、蔓延を防ぐために校長が学校医の意見を聞いて その裁量で罹患した生徒を休ませたり一定期間休校の措置を取れるものがある。

 そんな措置が必要と考えられる感染症として挙げられていて、現場でも経験するものとしては 溶連菌感染症や、最近ちょいちょい聞こえてくる 手足口病、またりんご病と呼ばれる伝染性紅斑、ヘルパンギーナなど。こんなのは子供が罹るもんだと思っていたけど、ウチの生徒位の年代(ほぼ全員19〜20歳)でも対象外ではなくなったようだ。もしかしたら若者が子供っぽくなってきたからなのか(笑)?

 このカテゴリー内の感染症で忘れてはいけない曲者が 感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)である。これは医師によって診断書をどうとでも書ける病気の一つだ。『下痢と嘔吐が酷くて・・・』と医師に言うと、『食べたもので何か心当たりがありますか?』『同居の家族はどうですか?』といった簡単な質問の後、感染性胃腸炎の診断が下る。検便などしない。だから本当は感染性胃腸炎の『疑い』なのだが、病気かどうかの疑いと同時に、その訴えが本当かどうかも『疑わしい』場合もある。なんせそう言えば検査もせずに診断が下るのだから。精神科の医師に対し『憂鬱です』『寝られません』と言った時の『抑うつ状態』の診断と同じくらいチョロい。

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