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自分・自分・自分

《駅構内》
 通勤に2つの鉄道会社を使っている。乗り換えをするのは大阪市の南の玄関口である天王寺駅なのだが、ゴチャゴチャした2社の同名駅の構内では通勤,通学,朝帰り,ホームレスの老若男女がごっちゃになって360度全方向から行き交う。だからこっちも歩くスピードを早くしたり遅くしたりして上手く人をかわしながら通過することになる。特に朝はさながら日体大の集合訓練の全方位版のようだ。

 本稿作成のために世界の駅の乗降客数を調べてみて驚いた。サイトによって僅かな違いはあるが、上位に並んでいるのは見慣れ耳慣れた駅名ばかりだったからである。以下にそのトップテンを並べてみる。

 1位  新宿駅 東京都
 2位  渋谷駅 東京都
 3位  池袋駅 東京都
 4位  梅田駅 大阪府
 5位  横浜駅 神奈川県
 6位  北千住駅 東京都
 7位  東京駅 東京都
 8位  名古屋駅 愛知県
 9位  品川駅 東京都
 10位  高田馬場駅 東京都

 断っておくが『世界』の鉄道の駅におけるランキングである。すごくないか? よく私たちは地方や田舎を訪れた際に『いやぁ、こんなところじゃ家に何台か車が無いと生活できないねー』などと言ったりするが、世界規模においてはそんな街や地域に生活している人の方が駅近に住んでる人より圧倒的に多いのだろう。そう考えるとつくづく日本は電車の国なのだと思う。ちなみに私が毎日乗り換える大阪・天王寺駅はランキング上ではなんと『世界』で第16位である。

《自分・自分・自分》
 しかし駅構内の集合訓練(笑)では、ボーッとしていてはいけない。人身事故が起きる可能性が少なくないからである。お年寄りや小さな子供には細心の心遣いが必要なのだが、ある人種には特別に注意をはらわなければならない。その人種とは、絶対に自分の進路を譲らずに『俺(私)は自分の道を歩くんだぜ(歩くのよ)! だから当たりそうになるならそっちがよけろよ(避けてよ)!』と、どんな人が自分が進む先に重なって来ようとも、進路もスピードも変える気はなくマナジリを釣り上げて意地になっているタイプ。行きたい先一点を見つめていて、自分に向かって来る障害にはワザと視線を向けない。私もチャレンジングスピリッツ溢れる若かりし時分は、売られたケンカは買う方だったので、そんな人が現れたらこっちはこっちで同じくあくまでよけないように歩いたものだが(どちらもよけずにぶつかった時には相手次第ではケンカになる)、今はそれさえ面倒臭いと思うのはやはり年齢のせいか。

 勝手な憶測、邪推ながら、このタイプは車に乗っていても『お先にどうぞ』ができないんだろうなと思う。止まっている自分の車の前に横から入ろうとする他車があろうものなら、そのドライバーとは目を合わせないで自分と前車の間合いを詰めて、自車の前には入れなくするようなタイプ。また2人掛けの座席が並ぶタイプの電車やバスにおいては、窓側を空けて通路側に座って涼しい顔をしているタイプ。車のイケズの方は年齢の幅が広く、座席のわがままの方は大体老人が多いと感じる。どちらにしてもこんなことに意地になって勝手な行動をとる『自分・自分・自分人間』には絶対ならんとこぉ!と自分を戒めている。

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