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私にとって好奇心のたまり場だった、今はもうないカフェ。

何年か前に、とあるカフェを見つけた。

駅前のビルの1階で記憶の中ではミスタードーナツだった場所が、いつの間にか、カフェになっていた。


その頃私は、会社の飲み会や友達と飲んだ後など、家までタクシーを使うとシャレになれないくらい高かったので、そんな時は駅周辺のホテルに泊まるという贅沢システムを取り入れていた(それでもタクシーで帰るより安い)

今考えると、そのお金を書籍にまわせたら、、、、本をどれだけ買えると思ってんだ、、、ホテル一泊分でブックオフでどんだけ楽しめると思ってんだ、当時の私!その金返せ!!!・・・・と言いたいくらいだが、そんな事は置いといて(置いとくしかない)

話は逸れたが・・・

ホテルのレストランやカフェの食事はそこそこのお値段だし(朝食1000円~とか)、コンビニもあるけどなんだかいまいち・・・と思っていたら、そのホテルのすぐ隣のビルに、「こんなに安くていいんですか??」っていうくらいモーニングセットがお得なカフェがあるのを発見した。

お値段まで詳しくは覚えてないが、サラダとトースト、好きなドリンクのセットでワンコイン(500円)もいかなかったと思う。

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それ以来、モーニング関係なく何故だかそのカフェが居心地よくて、夜勤明けに寄ってみたり、はたまた休みの日に寄ってみたり、はてはそのカフェに朝行きたいから、飲み会の時は必ず近くのホテルを利用したり(どんだけ)幾度となく利用していた。

このレトロでもなく、ハイソでもなく、決しておシャンティでもない(失礼)ごくごく普通のカフェ。

だけど、なんだか居心地がとても良い。

なぜか

このカフェはなにより「人間観察」がおもしろかったから。

凄く混んでるわけではないのに、なぜかくるお客様が、濃い。
個人的にそう思うだけかもしれないが、初めて入った時から感じていて、
たまたまかな?と思って2度3度訪れるが、そのたびに、濃い。

夜勤明けでクタクタだけど、わざわざ自宅とは逆方向だけど、つい寄ってしまう、そんな魔力・・・いや魅力がある「濃いお客様たち」

ひとり抹茶ラテ?的ななにか可愛いのを飲んでるおじいさん

結婚式とかで女性が持っているようなちっちゃいポーチみたいな白いパーティバック的なものだけ持って現れるおじさん

パンが硬い…とか、地震で揺れて気持ち悪くなっちゃうとか、ジャスコが楽しいねとか無邪気に談話しているおじさん二人組

「進撃」とか「撤退」とか「加筆修正」とか「原作」とか、マニアック用語早口連発な、そこはかとなく腐の気配がするお嬢様三人組

なんだか、朝時間に不釣り合いな、ネクタイのド派手な白いスーツのおじさん(新聞持参)

リュックに鈴をつけて、杖を突きながらやっとたどり着いた系のおばあちゃん(そしてド派手ネクタイのおじさんと知り合いらしい)

煙草をスパスパひたすら吸いまくりの貫禄あるおばさん

一言もしゃべらずコミック読みふけってる男子学生と、「あーつかれた」「もうちょっと休ませてね〇〇君」「あーしんど!」と独り言が異様におおい母親らしき(子供にしゃべってたが、反応なしだから?)二人組

とか・・・・


都会でなら、珍しくもない人々なのだろうけれど、この田舎町では何人かに一人見かけるか見かけないかの個性あふれる面々が、相当な確率で複数居合わせている「謎カフェ」(再び失礼)であった。


しかし、

しかしである。


たまたま発見したこのカフェ。ウキウキと通ったのもつかの間、私が発見してから2ヶ月後くらいに閉店となってしまった。

そ、そんな・・・・わたしはこれから何を楽しみに生きていけば(おおげさ)

何年くらい営業してたのかは分からないが、つかの間私の特殊な?癒しスポットになってくださった貴重なカフェ。

スタバやタリーズも好きだよ。コーヒーはうまいし、スィーツも豊富だし、店員さんの愛想もよいし、おしゃれだし・・・・

でも、あの頃一時期通った、特に愛想がよいわけでもなく、コーヒーが特別美味しいわけでも、看板メニュー的なものがある訳でもない。しかし、来ているお客がなぜか濃くて、そしてなぜか皆さん寛いで過ごしていた、あのカフェが忘れられない。


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ふくよかなネコたち
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