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恋愛とは「混ざり合う」ということ

私は恋愛を漫画やドラマで学んできた。だからいつも脳内はお花畑なのである。しかし、今まで恋愛をちょぴっとかすった恋愛をしてきて、これ言えてるな、と思ったエピソードがある。

それは「ホタルノヒカリ」という、綾瀬はるかと藤木直人がひとつ屋根の下で暮らすというドラマである。蛍(綾瀬はるか)は外ではキチッとした責任感のあるキャリアウーマンなのだが家では干物女で、ぶちょお(藤木直人)は同じ部署にいる部長で、生粋の几帳面な男である。その2人が一つ屋根の下に住んだらどうなるであろう。
蛍に共有スペースは常に散らかされ、大事なものもすぐに無くしてしまう。しまいには縁側でビールを飲みながら、新聞紙を掛け布団代わりにして寝ている。ぶちょおは最初はよく怒っていたが、蛍の仕事や恋愛に対する真っ直ぐな想いに惹かれ、2人は見事付き合うこととなる。
「ホタルノヒカリ」はシーズン2もあるのだが、そこでは付き合った後の2人が見られる。そこで素敵なエピソードというか、ぶちょおのある気づきがあるのだ。セリフは一言一句覚えてはいないが、

「見てくれ。この雑誌の置き方を。今までの僕は雑誌をこんな風に置く人間じゃなかった。僕は君の大雑把なところに影響を受けている。」

ぶちょうは嬉しそうに言った。文章だけ見れば「おい、どうしてくれるんだ!」という感情に見えるかもしれないが、実はこれは「僕と君は混じりあっているんだ。影響をし合っているんだ。」という意味なのである。

人と付き合うと、より一層人と触れ合うこととなる。これは、混ざり合うということなのだ。私は割と几帳面と言われる方なのだが、たまにそんな自分を窮屈に感じることがある。しかし、もし私が反対の人と付き合えば、きっと私はフゥっと空気が抜けて、たまーに雑なまるたさんになれる。人と付き合う、触れ合う、コミュニケーションを取るメリットの1番はそこかもしれない。恋愛は、ぽっかりと空いた心の穴を満たすためだけじゃない。私たちは、無意識にでも混じり合いたいと思っている。

私は友達を作るのが苦手で、いつも恋愛にばかり逃げてしまうが、こうして恋愛も観察してみれば面白い。漫画やドラマのような恋愛は今もこれならもできないし、付き合っても、結婚しても、それは決してゴールではない。恋愛には苦難がたくさんある。しかし、恋愛という独特のコミュニケーションは深堀しがいがある。

うまくいくカップルは結局似たもの同士だよね〜とよく聞くが、それは混ざり合ってるからなんだ。最初のふたりは全くの別物であっただろう。ひょんなことから出会い、時間をかけてだんだんとグラデーションになっていくんだ。離れたり、近づいたりを繰り返して私たちは、完全なひとつの丸にはなれないけれど、共同体になるんだろう。

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