セカンドライフストーリーズ

セカンドライフの生き方を考えています。 人類が初めて経験する人生100年時代。 蓄積さ…

セカンドライフストーリーズ

セカンドライフの生き方を考えています。 人類が初めて経験する人生100年時代。 蓄積されている生き方の知恵やスキルは少なく、 われわれ世代の楽しみ方や生活の工夫の経験そのものが 教科書の一頁を飾ります。 info@2ndls.com

マガジン

  • 時間を考える

    宇宙、生物、人間という経路の各段階で、異なる「時間」が生み出されてきました。宇宙やミクロ世界とはまったく異なる「人間的時間」について考えます。

  • 関心映画

    関心ある映画は映画館でみるようにしていますが、それでも最近はネトフリやアマゾンプライムで映画や映像と出会ってしまうことが増えてきました。 書き残したいと思ったことを書き残します。

  • 時間マネジメント

    束縛されない自由な時間が増え、寿命が大きく伸びているのなら、より賢く時間を使いたいものです。

最近の記事

「第3の時間」の実践経験を深める

自分の時間は自分で決めてきたつもりだった。 しかし、還暦を迎えて振り返ると、固定的なライフコースや共通の時間割といった「公の時計」が敷くレールの上を歩いてきたことがよくわかる。 そして退職後に待っていたのは、超長寿化が生んだ膨大な自由時間。前半生に比べ経済や健康に不安を抱えているのに、ここでは「公の時計」が影を潜め、個人が時間を決めていくことになりそうだ。 親父の時代は役割を終えればすぐに死んでいけたが、今それは叶わない。団塊の世代からのメッセージも少ない。私たちは初の超

    • ホワイト社会と不潔な若者

      綺麗なものが正しい 「ホワイト社会」とは、見た目の綺麗さや清潔さを重視する社会のことで、オタク評論家の岡田斗司夫さんが言い始めた現代日本の情景です。 脱毛やプチ整形が当たり前になり、役者は悪役までもイケメンになり、街から屋台が消え、他人が握ったおにぎりを食べない。 ただし、単純なルッキズムではなく、そこには綺麗なものは正しく、正しいものは綺麗といった新しい価値観が込められています。 正しくありたいと思えば、自分自身を身綺麗にするだけでなく、自分の周りからも不潔で不健康なモ

      • 第3の時間「生きられる時間」1/2

        手段の時間 人は毎日忙しく仕事しています。 3ヶ月後〆切のプロジェクトをうまく納めるため、あるいは今期の目標を達成するため、多くの時間とエネルギーを投入します。 プロジェクトが終われば達成感を感じますし、外からの評価に一喜一憂します。がそれも束の間、すぐに次の目標が立てられ、新たな目標に向けた日常が始まります。 ここに流れているのは「手段の時間」です。 未来に設けられた目的を達成するために、現在の時間が手段として使われます。現在は、未来に向けた通過点にすぎず、未完成で不

        • 映画『生きる』、お斎の席で渡辺の謎の行動が明らかになっていく

          公開は1952年。 その7年前の戦時中であらば「生きる」意味はまったく変わっていた。 ガンの宣告は今では当たり前だが、つい最近まで 精神的な負荷を考えて本人に宣告をすることは稀だった。 死と向き合うことは人生の一大事だが、 戦争ではなく、病気と向き合って死に行くという、 当たり前の日常を新鮮に描いている。 まだ戦後復興の槌音が響く平和の時代を背景に、 登場した事なかれで無気力な役人や、裏社会と結びつく幹部。 平和の中にこそ芽生えた新たな社会の病理を描くことで 新たな時代の生

        「第3の時間」の実践経験を深める

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        • 時間を考える
          2本
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          10本
        • 時間マネジメント
          22本

        記事

          映画『英雄の証明』、「良心」を素描した優れた作品

          『英雄の証明』は、AmazonPrimeでみつけたドラマ。 借金の罪で服役中のラヒムが、恋人が偶然拾った17枚の金貨を 落とし主に返したことから、美談の英雄に祭り上げられる。 それぞれの立場と都合で、作り上げられた「美談」が、 SNSでの噂を契機に「疑心」が拡がり、 やはりそれぞれの立場と都合で「醜聞」に成り代わる。 その中で、ラヒムと恋人、家族たちが翻弄されていく。 現実社会で「良心」は必ず少しの「嘘」とともにある。 世の中、嘘だらけでなく、純粋な良心があるわけでもな

          映画『英雄の証明』、「良心」を素描した優れた作品

          映画『PERFECT DAYS』、脱目的の自由な時間が流れる

          ただその日を過ごす ただその日を過ごす、という生き方に憧れます。 それは、未来でも、過去でもなく、現在を生きるということなのでしょう。 未来に目標や目的を定めて時間を使うのに慣れてしまっている私には難しいことですが、そこに生き方のヒントが隠されていると感じます。 そこでは、どのように時間が使われるのか想像できません。 受動的で変化が少ない日常なのか。そこに喜びはあるのか。 そもそも変化は訪れるのか。そこで生きている実感は得られるのか。。 時間は使わない、時間が流れる

          映画『PERFECT DAYS』、脱目的の自由な時間が流れる

          自由という資産

          変身資産がわからない 『LIFE SHIFT』は優れた生き方本であるが、その核心にある「変身資産」がわかりにくい。 『LIFE SHIFT』では、我々が持つ無形資産に着目して、その使い方が人生の選択を豊かにすると説いている。 その無形資産として「生産性資産」「活力資産」「変身試算」の3つをあげている。「生産性資産」はスキルや知識など仕事の生産性を高めるため、「活力資産」は明日の活力をえるために蓄える資産である。 そして3つ目の「変身資産」は、その名の通り変身のために必

          時間マネジメント

          時間は自由に使えない 「時間を自由に使っていいよ」と言われても、大抵は挫折する。 結局、自分の知っている心地良い時間を選んでしまい、冒険はしない。 日常的な習慣から考えずに時間を使ってしまうこともあるが、自分で羽目を外さないよう自主規制をかけていることもある。 それ以上に時間をどれだけ広く使えるのか、良くわからないことが大きい。 時間について決まり事があるとすると、与えられた時間が有限なことである。有限とはつまり、いつか死を迎えるということ。 しかし、寿命は何人たりとも知

          同窓会と時間

          週末、中学校の同窓会があり、参加してきました。 参加率はおよそ4割、顔と名前が一致する人が半分くらい。 朝まで騒いで帰りましたが、宴のあとの寂しさが残ります。 自分の過去を書き換える 数ある集まりの中で、なぜ同窓会が特別なのか。 一つは、自分の過去に触れ、場合によっては過去を書き換えるからです。 我々は常に自分の記憶を組み換えながら、現在の自分を再確認しています。 今回も恩師や昔の友人と話していると、自分がどう見られていたか、別の友人をどう見ていたか、いくつか発見があり

          時間の収支計算で生き方を眺め直す

          時間は、未来に向かって永遠に続くように思えます。 しかし、自分の時間は身体を介してしか使うことができず、その身体はいつか死を迎えます。この有限の身体を通じて流れていく時間が「寿命」です。 誰も自分の寿命を知ることは叶いませんが、平均寿命や余命などを通じて大体の寿命を推測できます。平均寿命が大幅に伸びた現代では、自分に与えられる寿命も大きく伸びると考えるべきです。半世紀前と比べると平均寿命は30年も伸びています。 この与えられた膨大な時間をどのように使うか? 人生全体を対象

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          「変身資産」とは何か?

          変身資産とは 「無形の資産」とは、将来的に収益をもたらす潜在的な能力のことです。 『LIFE SHIFT』では、自分が意識して「無形の資産」を蓄え、使うべき時には大胆に使うという生き方が提案されました。 『LIFE SHIFT』が示した3種類の無形の資産のうち、「生産性資産」と「活力資産」はイメージしやすいものです。 「生産性資産」とは、仕事で生産性を高め、所得を増やすのに役立つ資産です。スキルや知識、社会的評価、職業上の人脈などが生産性資産で、拡大解釈すれば、学校教育

          「変身資産」とは何か?

          時間で計る「人生のバランスシート」-1-

          ギフトとして贈られる100年の時間!  生きながられる時間が延びて、一生で可能になる体験が大きく増える。 この時間とは、一人ひとりの生きる体験そのもので、誰もが共通な「時計の時間」と異なります。 我々は今、この時間をどう生きるのかが問われています。 「公共の時間」と「個人の時間」が乖離する まず、我々に与えられた時間の特徴を理解する必要があります。 普段、我々が漠然と考えている時間とは、過去-現在-未来と直線的に続く無限な「時計の時間」です。 一方、我々に与えられる時間

          時間で計る「人生のバランスシート」-1-

          自分にあった人生モデルを選ぶべし7(LIFE SHIFTが提案するマルチステージ)

          ギフトとして贈られる100年の時間! 長寿化の恩恵を受けるため、人生の新たなロードマップとなる「人生モデル」を紹介しています。 『LIFE SHIFT』は、人生100年時代に関する世界のベストセラーです。 教育→仕事→引退という3ステージ型の人生モデルが限界にあるという現状認識は他の人生モデルと同じですが、「人生100年時代の人生戦略」を謳い、有形・無形の資産を管理しながら変身を続けていく「マルチステージ」というユニークな人生モデルを提案しています。 3ステージ型の限界

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          認知寿命(心の寿命)を知る

          寿命は、生まれてから死ぬまでの時間ですが、最近は「健康寿命」「自立寿命」「資産寿命」といった別のタイプの寿命が注目されています。 これらは、健康、自立、有資産という生きていればあれば当たり前の状態が終わる(尽きる)までの時間のことを指しています。 これらの寿命がわかれば、いつまでその状態でいられるか目安になり、人生100年時代を生きるための基本情報といえま。 今回試算するのは「認知寿命」です。人生が長くなるなかで、一番恐れるのは認知症と考えている人は多いと思います。 そこ

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          「百年道場-西葛西のクリシュナ-」あらすじ

          インド人のクリシュナは、叔父を頼りに西葛西に移住し、 小さなIT企業に勤めていた。 ある日、社員の半分が辞めてしまう。 社長は友人の野口を呼び、再生プロジェクト「百年道場」を打ち出す。 社員の副業や転職、起業、自己探索を全力で支援し、 人生百年の時間を自ら組み替え、賢く選択できる人材を養成する。 評判が広まり人が集まる。業績も回復する。 しかし選択のないカースト社会に育ったクリシュナは、 自ら選択する生き方が正しいと思えない。 野口は説く。時間の選択こそ生き様だ。 学ぶ

          「百年道場-西葛西のクリシュナ-」あらすじ

          「百年道場-西葛西のクリシュナ-」第3話

          第3話 クリシュナの憂鬱バックキャストして描く百年 ライフステージ・ノートは、一人ひとりが100年のタイムライン上にライフステージを書き入れていくツールです。ライフステージとは職業であり、立場や肩書きであり、働き方や時間の使い方であり、その時々の自分の状況を書けばよいといわれています。 野口さんは、ライフステージ・ノートの使い方を説明する時、必ず「未来へのアプローチ」の話をします。 未来へのアプローチ方法は、二つあるといいます。 一つが「フォワードキャスト」です。エンジニ

          「百年道場-西葛西のクリシュナ-」第3話