大学生で発達障害に気づいた 1人の経験談
はじめに
この記事は、発達障害の当事者としての、1つの経験談を共有するものです。
<私のプロフィール>
年齢:20代
職業:IT系会社員
発達障害:ADHD(不注意優位) + ASDの傾向、認知特性の歪み(テキスト得意、音声苦手)
IQ:高め
親も私自身も、大人になるまで発達障害に気づかず育ちました。当然、ずっと普通級に通っていました。
しかし、大学生になった頃に、自分は人と違うかもしれない、と発達障害を疑って受診。診断がつきました。
今も特性の取り扱いに苦労していますが、理由がわからず悩んでいた中高の頃と比べると、年々生きやすさは増していると思います。
同じような当事者の方に読んでもらって、
同じような体験をしているから安心するな、と思ってもらえたら200点
私自信いま仕事で困っているので何かアドバイスがもらえたら300点、
と思って書きました!
私のこれまでをエピソードつきで振り返りたいと思います。
幼少期
年少から3年間幼稚園に通いました。
発達の遅れはなかったですし、むしろ言葉を話すのも早かったそうです。
ただ、お遊戯会で1人だけ踊らずに立ち尽くしてしまったり、運動会のリレー本番で転倒してチームを大敗に導いてしまったり、
今思えば失敗は多かったかも。
でも、親はとても優しく受け止めてくれたので困った記憶はありません。
小学校
明るく自由な学校で、のびのびと過ごすことができました。
自由研究や書き初めは前日に突貫で仕上げたり、忘れ物がクラスで2番目に多かったり(1番ではなかった笑)と、
当時から計画性や几帳面さはありませんでしたが、
笑って許してくれる環境だったので居心地は最高でした。
むしろ、自由な発想を「面白いね」「創造性があるね」と捉えてもらえていました。
今振り返ると、自由で寛大な環境が私のような人に合っていたのだと思います。
中高
受験をして、中高一貫の女子校に入りました。
中高はとても厳しく、生徒ものびのびというよりはきっちりした人が多く、うっかりミスや忘れ物が許容されない環境だったので、よく怒られました。
多感な時期だったこともあり、怒られるたびに自尊感情が低下して悩んだ記憶があります。
それと、体育がしんどかったです。苦手な球技の割合が増えたからです。
1人で苦手を抱えるのはまだマシなのですが、バスケやバレーといったチームスポーツでは、私のミスが他の人に迷惑をかけてしまうので、罪悪感と、どうしても克服できないことによる無力感を抱きました。
他にも、授業で指示を聞き逃して一人だけ違う教室に行ってしまったり、
定期試験のたびに一夜漬けをすることになって体調を崩したり、
手先が不器用で指示を聞き逃すことが多いので家庭科で居残り作業をすることになったり、
学校生活には向いていなかったなあ・・・と思いますが、
当時の私には学校に通わないという発想がそもそもなかったので、なんとか通いました。
今から過去を変えられるなら、高卒認定試験を受けた方がよかったかも・・・
ただ、中高で一生の親友と出会えたのは何にも代え難い・・・難しいですね。
大学
国立大の理系学部に進学しました。
相変わらず忘れ物は多く、筆箱を忘れたり教科書を忘れたりすることはしょっちゅうでしたが、
バイトをして自由に使えるお金が増えたので、購買で急きょ買い直すことができたり、
そもそもPCでノートを取るようにして持ってくるものを減らせたりして、
対応策の幅が広がりました。
化学実験で塩酸をタイツにぶちまけてタイツが溶けたときはどうしようかと思いましたが、
体調に問題はなく大丈夫でした。
あとは、初めて交際した相手から「普通と違うよね」「理解できない」と言われて傷ついたりしました。
今なら相手がひどいと分かりますが、当時の私は今よりももっと自尊感情が低く、私が悪いんだ、と感じていました。
とはいえ、前述の通り忘れ物の対応策が広がったこと、好きな授業をとれたこと、好きな人とだけ関われたこと、など、
大学生活では総じて自由になれた気がしました。大人になるって良いなと思いました。
また、病院を受診し、発達障害の診断がおりたことで、それまでの自分の困りごとが認められた気がして楽になりました。
現在
会社員として、障害者雇用ではなく一般雇用で働いています。
IT系の職業です。インターンも楽しかったですし、発達障害の本でも向いている職業として書いてあるので、きっと適職だと思って就職しましたが、
正直、マルチタスクや、音声でのコミュニケーションに難しさを感じていて、仕事では怒られることが多いです(涙)
楽しいこと : しんどいこと = 1 : 3 くらいですかね・・・
人一倍気をつけているにもかかわらず、どうしてもミスしてしまうので、「ありがとうございます」「すみません」を人の倍言うようにして、不快に思われないように頑張っています。
また、ミスを予防するためには、さまざまなライフハックを試しています(具体例は以下)が、
タスク管理が難しいので、最初に目標を明確に言語化して、それを細かいスケジュールに落とし込む→上司にOKをもらう→カレンダーに記入
音声でのコミュニケーションだと内容理解が難しいので、議事録係を買って出てテキストベースでのコミュニケーションに変える
聞き逃しが多いので、リモート会議は録画する
1つひとつのライフハックを実現するのにも頑張らないといけなかったり、ライフハックの数が多すぎて少しずつ忘れていったり、とても苦労しているのが実情です。
どういう環境なら働きやすいのかな、一般雇用から障害者雇用に切り替えた方が良いのかな、などと模索しています。
似たような境遇の人で、適した環境を見つけた経験があれば教えていただけると嬉しいです。
最後に 私のメンタルヘルス向上に役立っているもの
いろいろ大変なことも多いですが、私のメンタルヘルスはさまざまな人・情報に助けられています。
ひょっとしてみなさまの役に立てばと思い、これまで良かった経験を載せておきます。
自分に合ったメンタルクリニックを受診していること
プロに定期的に相談できる環境は大切
二次障害の治療のために抗うつ剤を処方してもらっています(効果を実感しています)
論理的思考力を鍛えたこと
自分の特性を言語化したり、対策を立てたりするのに役立っています
大学に入ってレポートを書くようになってから鍛えられた気がしています
数学の勉強や卒業研究をしたのも、鍛えられた要因かもしれません
当事者とその家族のYouTubeチャンネル
あたたかくて前向きな空気感が癒しです
二次障害として併発しやすいうつ病について知れました
推し活
アイドルを推すことが活力となっています
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