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パラアスリート向けに栄養セミナーを実施しました

3月21日、『脳性麻痺者7人制サッカー(通称:CPサッカー)』の代表選手向けに、オンラインで栄養セミナーを実施しました。
初めてのパラアスリートとの関わりで、わからないことがたくさんある中での挑戦でした。
セミナーを実施するまでに準備したこと、どのような質問があったかなどを書き留めておきたいと思います。

1.脳性麻痺についての勉強

こちらの分厚いテキストやインターネットの情報を参考に「脳性麻痺とは」の勉強から始まり、パラアスリートの筋肉量や代謝量、活動量に関する論文を読みながら資料作成を進めていきました。
↓参考にした論文です。

2.選手から食事写真提供の協力と必要エネルギー量の推測

数名の選手から事前に食事写真3日分を提供してもらい(ご協力ありがとうございました!)、それらの栄養計算&選手の体組成から必要エネルギー量を算出→数値の差からおおよその消費エネルギー量を算出していきました。
まだまだ正解のわからない研究中の分野でもあるので、現場的な感覚から『実際に長期的に摂取しているであろうエネルギー量と体重の推移』から、選手たちに必要な摂取エネルギー量を推測し、その理論の元内容を構成していきました。

3.セミナー当日の進行

当日は協会の方に司会進行をしていただきました。
また、途中でケーススタディをすること、質問を随時受け付けるのでチャットを活用しますということを事前にお伝えしておきました。

冒頭では、お互いが身体づくりのために日々実践していることを共有してもらうために、チャットでコメントをもらいました。
こういった機会が無いと、お互い何をしているのか知らないなんてよくある話です。こういったことをきっかけに、選手どうしで情報共有やディスカッションをする機会を作るようにしています。

そして、基本の食事の揃え方、身体づくりに最適なバランス、体重測定の重要性について触れたら、理解度を測るためにケーススタディを行います。

4.ケーススタディ

ケーススタディでは、例えば『お昼に牛丼を食べるとします。牛丼は主食と主菜に分類されます。他に何を付け足すと食事の質が上がりますか?』のようなお題を出し、用意していた選択肢から選んでコメントしてもらいました。
普段の食事を選ぶ際の癖や、選手の皆さんがどこに注目しているのか、何が好みなのか、何を発見したのかなどを垣間見ることができて、お互いに『気づき』を得られる時間になったのではないかと思います。

5.質疑応答

①練習が終わる時間が遅いとき、何を食べたらよいか

【回答】
練習前にエネルギーになりやすい主食メインで副菜や主菜を少し食べておく。練習後にエネルギー回復のために糖質補給(固形物でもゼリー飲料などでOK)、筋肉が落ちやすいならプロテインも活用する。

②練習前に食べると吐きそうになるので、どうしても食べるものが偏ってしまう(主食、果物)。

【回答】
エネルギーになる主食は絶対に外してほしくはないが、主菜、副菜も少量でいいので取り入れる。その際、よく噛むこと。水で流し込まないこと。
どうしても食べれないのであればプロテインやサプリメントを活用する。また、練習のない日や夕食の内容を充実させる。

さいごに

選手の皆さん、普段から考えて悩んで身体づくりに取り組んでらっしゃるのだなということが強く伝わってくる時間となりました。
そういった思いに触れることができて、更に私も勉強になりました。

このような機会をくださったウッチー先生、本当に感謝しています。
またご一緒できる日がくるつもりで勉強を進めておきます!

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マルゴトキカク | 後藤 優子(スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー)
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