”ここは要塞。終に散りし白。”リバプール × トッテナム レビュー 【22-23プレミアリーグ 第34節 】
■結果、メンバー、フォーメーション
■プレビュー記事
■試合経過
得失点シーン
・1-0 Curtis
アーノルドの高精度クロスを大外で待ち受けたカーティスがうまく左足の面で合わせた。スパーズはカーティスを担当すべきだったペドロポロはもちろん、他の選手も全員がボールウォッチャーになっていた。
サラーがボールを持ったとき、画面右にアーノルド/ファビーニョ/ロバートソンがきれいに並んでおり、2-3-5の陣形。被カウンターのための準備もしっかりできていた。
・2-0 Díaz
アーノルドがソンに競り勝ち(腕でソンを倒しているように見えたのでレフェリー次第ではファウル取られてもおかしくなかった)、4人の選手が狭い位置で細かくパス交換。ガクポがエリオットにパスをした後、デイビスとロメロの間のスペースをすぐ見つけラン。ディアスが珍しくエリア内に飛び込んでのゴール。1点目に続き、ボールへのコンタクトが巧みなシュートだった。
・3-0 Salah(PK)
PKを最近失敗がちだったサラー、見事に真ん中上にシュート。
アーノルドのパスは「ダイアーがプッシュしてくるから裏が空くはず」と認知できているのが伝わるようなパス。
・3-1 Kane
ダイクのスリップが目立つが、エリオットがペリシッチにあっさりかわされたのが良くなかった。アプローチに行く際、左右どちらを切るか迷っているように見えて、体がブレブレだった。
・3-2 Son
今のリバプールには防ぎようがない失点。
ロストのきっかけになったサラー→ジョタのパスは受け手のスペースがないが、彼が好調なため選択は理解できる。クリアがペリシッチに渡ったのはアクシデントに近い。アーノルドにプレスバックを求めるのは守備への意欲が改善してるとはいえ、距離もあり酷な要求。むしろコナテの背後へのケアが不十分だった。ソンはボールが出る前から常にコナテの死角におり、ファーストタッチとシュートが正確だった。
・3-3 Richarlison
ソンのキック、リシャルリソンのランが見事。
途中出場のヌニェスよりが大外を担当したが、重要なポジションなため、別の選手に変えても良かったのでは。
・4-3 Jota
リシャルリソンのキーパーチャージがきっかけ(笑)
こちらも途中出場のルーカスが関与。(ロメロとの連携ミス)
ルーカスがバックパスする前からジョタはすでに動き出していたが、勘が見事に的中。ノリにのっている。スタートから出られないのが本当に気の毒。
スパーズのプレスを無効化したコンビプレー
リバプールは攻撃時3-2-5(たまに4-3-3)。
2のアーノルドとファビーニョの一方がケインとソンの間に立ち、彼らを中に寄せる。そしてもう一方が脇に立つことで片方がフリーになり、コナテとロバートソンが前進しやすい構造。(スパーズ守備時5-3-2)
3の1人(主にクルゼフスキ)が2トップに加勢してきた場合は、アリソンを組み込んだり、サイドのトライアングルでボールを前進させることに成功。
前半はボール保持と決定機の数で圧倒した。
IHのカーティスとエリオットはWGとポジションチェンジを行いながら、ボールの循環には貢献できていた。ただし前進やチャンスメイクに関与できていたとは言えない。来夏の補強で5番手以下になることが濃厚な彼ら。良質なターンオーバーを可能にするためにもさらなるレベルアップを求めたい。
楽に回せる時間が多かったが、ミスも多かった。
27:04のシーンではダイクのポジション修正が悪く、最終的に相手ボールのスローインとなった。ケインに重なるように移動したが、いても意味のない場所だった。ケインとコナテの間に立てば、ソンに対し数的優位をつくり、簡単に前進できたはずだ。
40:52のシーンではロバートソンのミスかのように中継でもクローズアップされていたが、最も悪いのはガクポだ。まっすぐロバートソンにバックパスしたため、クルゼフスキがスピードを緩めることなく2度追いができる。ダイクに落として、プレスのベクトルを変えさせるべきだった。
やはり狙われた右サイド
空中戦が得意で体格で勝るペリシッチをターゲットに、ロングボールでアーノルド側・裏を狙われる機会が多く見られた。
ソンと対峙する場面の多かったコナテはチャンスをほぼ作らせず、この試合で空中戦勝率7/7、地上戦勝利4/6と右サイドの守備を見事に完遂した。FotMobの評価点は7.1とまずまずだったが、MOMでいい活躍だった。(1年は使ってきたが、もはやこのアプリの採点は信用できない)
ぬるっと劣勢になっていた後半
足が止まっている印象はなかったが、60分くらいからスパーズの選手が楽にボールを持てる場面が増えた後半だった。
決して駒は多くないが、ジョタなんかはもう少し早く投入してエネルギーを注入してもよかったと思う。
主審の判定にも苦しみながらも最も大切な勝ち点3をとれてよかった。
(90:15のサラーのファウルは本当に意味不明。)
■各種スタッツ
【Liverpool】
・Whoscored.comによると、リバプールの評価点TOP3は上からディアス(8.13)、ガクポ(7.78)、サラー(7.57)。先発メンバーの最低点はロバートソン(6.07)。
・プレミアリーグによるMOMはサラー。(1G、ドリブル成功3)
・アーノルドは直近5試合すべてでアシストを記録。
・試合トータルでの枠内シュート4本すべてを得点にした。
・リヴァプールはプレミアリーグ史上最も多くの90分以降での勝ち越しを記録しているクラブ(41回)。
・アンフィールドは過去8回4-3の試合があり、プレミアリーグ最多。勝者はすべてリバプール。
【Tottenham】
・Whoscored.comによると、トッテナムの評価点TOP3は上からペリシッチ(7.88)、ソン(7.60)、ケイン(7.56)。先発メンバーの最低点はロバートソン(6.11)。
・ソンは直近5試合中4試合でゴールを記録