アラフォー女子ひとりディズニーの心地よさについて熱く語る。
昔からずっと、「ひとりで」ディズニーランドに行ってみたかった。
ディズニーをひとりで堪能することが何にも代えがたい最高の贅沢だと思っていた。しかし、結婚してからはそんなことも無理だと思い、この密かな気持ちを心の奥底にそっと仕舞いこんでいた。両親や夫と一緒にディズニーに行くことはあったが、ひとりでディズニーを堪能することは未だに無かった。
ある日のこと、10月19日に東京に行く用事が出来た。
ここで、心の奥底に眠っていた「ひとりでディズニーに行きたい」気持ちがむくむくと膨れ上がってきてどうしようもなくなってしまった。無職の身、ひとりでディズニーに行くのは良心の呵責が一応ある。夫に恐る恐る確認することにした。
私「19日に東京行くけど、前日から泊まりで行ってもいい?」
夫「別にいいけど」
私「18日にディズニーに行ってもいい?ひとりで」
夫「別にいいけど。好きにしたら?」
意外にもアッサリと許可が取れた!!
好きにしたら、が「働いてないくせにお前なに呑気に遊んでんだよ」の無言の非難だったのかもしれないが、このときは私の単純脳みそは素直に夫の許可を喜んだ。
Xデーは10月18日。1年でディズニーランドが一番賑わうハロウィンの時期。
実は私はこれまで、世間のハロウィン行事に全くと言っていいほど興味はなかった。毎年9月頃からスーパーの陳列棚を見て、あーハロウィンだなーと思い、11月1日に急にクリスマスに切り替わる売り場を見て、あーハロウィン終わったんだなー、と思う程度のものだった。心が枯れている。
そんなやつが、1年で一番人気だと言われているディズニーハロウィンの時期に行くことになるなんて。
世間とのズレに笑ってしまいそうになりながらも、ひとりぶんのホテルを予約し、ひとりぶんのディズニーチケットを購入した。
ひとりディズニー、メリットしかない。
そして迎えた当日。ひとりで良かった、と思う点がたくさんあった。
ひとりで良かった点に絞って書き残していこうと思う。
1. 予定変更が自由。
名古屋駅から東京に一番早く到着する新幹線に乗る予定だったが、席数が空いていそうな次発のひかり号に乗った。急に思い立って予定を変更したが、新幹線車内も混み合っておらず、快適に移動することができた。
それに、1泊した翌日は全く予定を立てていなかったが、あまりにもひとりディズニーが楽しすぎたので、思い立って翌日ディズニーシーに行くことにした。本来の用事は昼からでも大丈夫なので、午前中からフルで楽しもうと思い、前のめりで開園待ちまでしてしまった。
2.同行者に気を使わなくていい。
パーク内の行動はほぼノープランだった。
写真が趣味なので写真を撮りながらブラブラ歩いてハロウィンパレードを写真に収めるぞ、くらいにしか考えていなかった。
同行者(夫を想定)がいると、乗りたいアトラクションをリサーチしておき、混みそうな時間を考え計画を立て、お腹の空き具合や疲れ具合を確認し、都度休憩を入れたり、相手の興味のあるアトラクションやおやつワゴンに並んだりする必要があるが、これが全く無い。好きな時に好きなだけ写真を撮り、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、同じ場所を何回も往復したり、おやつワゴンをハシゴしたり、自分の欲望のままに行動することができた。
そして、私がどうしても見たかったハロウィンパレードは15時5分スタート。今年からハロウィンパレードは演目が新しくなり、私を含め数多くのディズニーファンの方々を魅了したらしく、開園してからすぐにパレードルートが場所取りの方々でズラリと埋まっていた。開園て9時前ですよ?そこから考えると6時間待ち?最近のディズニーは熾烈な争いになってしまったなぁとある意味感心してしまった。
この光景を見るまでは、立ち見席で1時間くらい前から待てばいいかな、とか思っていたのだがどうにもそんな呑気なことを言える雰囲気じゃないなと思い、2時間半前からよく見える場所を探して座って待つことにした。同行者が居たら自分の欲望のために2時間半ただ座って待たせるだけなんて絶対にできない。
3.突然の出会いを楽しむことができる。
そのハロウィンパレード、ミッキーマウスが見える位置に待機する予定で事前に調べ、だいたいこの辺なら見えるだろう、と空いている空間に適当に座ってしまった。
座ってしばらくすると、一人の女性がやってこられた。
「この場所1人分、空いていませんか?」
お隣でご一緒することになったこの女性は、どうやら歴戦のプロファンの方のようだった。ご本人は私なんてまだまだ…と謙遜されていたが、今年のハロウィンパレードは3回目だと言う。3回目の今回は、GoProを購入してきたらしい。ハロウィンパレードにはゲストも一緒に踊る(手遊び)時間があるのだが、この時に全力で踊って推しのキャラクターからファンサをもらうため、手を空けたいからGoProを買ったのだと言っていた。にわかファンから見るとどうみてもプロである。
待ち時間がヒマ過ぎたので、ご迷惑かとは思いつつお隣さんに色々教えを請うた。お隣さんも、推しのキャラクターからファンサをもらえるか、むしろその日は天候が悪くパレードが無事開催されるかドキドキして苦しいのでお話は歓迎と言ってくれた。さてはこのお姉さん、オタクだな?(もちろんいい意味)
推しから確実にファンサをもらうために、カバンから推しのぬいぐるみを出してカバンや衣服に装着していくお姉さん。その様子を見て、私はついに決定的な間違いに気がついてしまった。
「もしかして、ここってミッキーのフロートではない?」
「はい、ここはファウルフェロー(お姉さんの推し)のフロートです」
ファウルフェローのフロートは、ミッキーの次のフロートだ。やっちまった!お姉さんが正確なミッキーのフロートの場所を教えてくれた。(プロなのでもう驚かない)
ミッキーのフロートがやってくる場所を確認すると、もう人がぎゅんぎゅんに埋まっていて後から1名入ろうものなら、というか1名も入れてもらえなさそうな、殺伐とした雰囲気を感じてしまった。だったら面白いプロのお姉さんのお隣でお話しながら待つほうがいいや。そういうわけで、ミッキーのフロートは諦めてお姉さんのお隣に戻ってきた。
「もう場所は無かったですか、残念ですね。でもこれを機にファウルフェローのかっこよさに気がつくかもしれませんね!うっかり好きになっちゃうかも!一緒にファンになりましょう!」
なんて爽やかなオタクなんだ、お姉さんのファンになりたいくらいだ。
やはりオタクに悪い人は居ないんだね!(※自分含む)
このお姉さんが色々と教えてくれたのだが、このパレードはフロートが3回停止する演出があり、お姉さんはこの場所の停止演出が終わったら3回目の場所にダッシュで移動して、3回目も立ち見で楽しむのだと言っていた。
私もそれについて行っていいかと尋ねたが
「それは構いませんが、私は友人たちからもドン引きされるくらい高速で移動するのでついて来られないと思います」
と言われてしまった。私はそれでも構わない、移動のタイミングと方角が分からないだけなので私に気にせず行ってほしいと伝えた。
そしてパレード終了後、光の速さでお姉さんを見失った。
パレードが始まる前に、せっかくの御縁だから、と思ってお姉さんのTwitterアカウントを教えてもらったのだけど、お昼ごはんを食べながらだったのでフォローボタンを押すのを忘れてしまっていた。もったいないことをしてしまった。縁がなかったってことで諦めるしかないか。
4.自分の好きなことだけを徹底的に楽しむことができる。
お姉さんは見失ってしまったが、どのタイミングでどの方向に移動すれば良いかだけは把握できたので、ダッシュで移動した先でも再びパレードを堪能することができた。
パレード終了後に移動してまた移動先で見るだなんて、同行者(特にディズニーに興味がない夫)がいたらとてもじゃないが無理なことだろう。
ダッシュで移動し慌てて飛び込んだ立ち見エリアは全く想定していなかったキャラクターを見られる場所だった。どうやらここは白雪姫の女王様のフロート…から少し遠いけどかろうじて見ることができる場所であるらしい。
当然、最初から待っているお客様がいらっしゃるのでお邪魔にならないよう、立ち見エリアの植え込みのスキマから望遠レンズを使ってダンサーさんを撮影させていただいた。植え込みのスキマから撮影だなんて、日常生活で出くわしたら確実に通報案件だが、パレードを見たいんだもの、他の方のお邪魔しないようになので許してほしい。
女王様の手下ダンサーさんを植え込みのスキマからこっそり撮りまくる私。
絶対に気づかれないだろうと思っていたが、ここはプロ、カメラ越しの視線に気がつくのか、どうみても私のカメラを見てますよね?という視線をくださるダンサーさんが数名。なんで分かるの?!
驚いたがとても嬉しい体験でバッチリその瞬間を写真に収めることができた。嬉しすぎて今でもその写真を見ては思い出してニヤニヤしている。「おまわりさーん!ここに変な人がいまーす!」
パレードを彩る素敵なダンサーさんたちを見たくて、長時間待機+ダッシュ移動までして見た景色は、私にとって一生忘れられないものとなった。魅惑的なダンサーさんは、新たなニワカディズニーファンを生んだよ…。罪深いね、ディズニーハロウィン。
その後も気の向くままにハロウィン装飾の写真を撮ったり、キャストさんにおすすめ写真スポットを教えてもらったり、ミニーちゃんに会いにキャラクターグリーティング施設の列に並んだり(しかも2回)、大変充実した時間を過ごすことができた。
興味のない人と一緒に行くディズニーよりも、ぜったいに一人で行ったほうが楽しい。
できればまた、ひとりで気ままにディズニー旅行を楽しみたい。
最高の贅沢を体験したが、これで満足というわけではないのだ。またお金を貯めてひとりディズニーを楽しみたいぞ!