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【一人旅準備編】チワワ、オオサカにいく①

こんにちは、先日国宝に指定された私です。

皆さん胸を張って言える趣味ってありますか。私はありません。

ライブにいく、旅行に行くといったアウトドア的なもの
お菓子作り、読書、映画鑑賞といったインドア的なもの
なかにはショッピング、いわゆる散財という方もいるかと思いますが、
とにかくこの世には〝趣味〟に分類されるものがいくつもありますね。

メジャーなものからマイナーなものまで、
人の数だけ存在するその人にとっての娯楽がきっと趣味なのでしょう。

さて、それでは私の娯楽、つまり趣味は何になるのか。
それはですね、

あり得ない量のごはんをいっぱいたべて

いっぱい寝る


です。

平たく言えば所謂【ドカ食い気絶部】の部員です。

といっても非力で卑屈なだけの女でございますから、他の部員の皆様に比べれば
その量は大したことでもありません。

そんな私のお気に入りメニューは下記です。
・袋麺5袋全茹で
・松屋ねぎたま牛丼大盛り
・大きな大きな焼きおにぎり一袋+いいウィンナー一袋
・特盛炒飯一袋
・おにぎりパーティー(米3合)
・日高屋ネギ盛りピリ辛ラーメン+ライス大盛り
・町田商店ラーメン大盛り+ライス大盛り×2
などなど。

実家暮らしの時は休みの日にたまにこういうことをやっていたのですが、
一人暮らしを始めた途端一気に悪化しました。

実家にいるときに受けた健康診断でD判定だった脂質の数値が一人暮らしスタート後A判定となったのですが、単純に低すぎてDになっていた脂質が一年でA判定になるほど上昇しているということなので全然よくありません。

オワリの飯です。

激務且つ共働きという中で毎日家庭科の教科書に出てくるお手本のような献立を出してくれていた母が見れば卒倒するかもしれません。

しかし、幸せなのです。
あり得ないほどに。
(ここから筆が乗ったので頭の悪い卒論みたいな話し方をします。)


もうほんと、びっくりする。


母が料理好きの薄味好きであったがために、基本味の濃い外食というものは機会がなく、
その反動で外食にとてつもない幸福を覚えてしまった私。

ついでに私は食べれるけど食べなくても別に平気なタイプなので、
適正量でも普通に満足はする。だから実家暮らしの時も特に何も不満はなく、母の愛情たっぷりごはんを食べていた。

しかし、一人暮らしをするとそのリミッターが外れるのである。
ご飯を盛ってくれる人はいない。
おかずを作ってよそってくれる人はいない。
つまり

どれだけ盛っても問題ない!!!

革命である。

痛むは財布だけ。
あるは眼前のダイヤモンド(大量の飯)に高鳴る心だけ。
残るは急上昇した血糖値による眠気だけ。

ヒトが幸福を感じるモノ、それが趣味ならば
私はこれを趣味と名付けよう。

そういうわけで、最近は趣味を聞かれた際
「いっぱいご飯食べるのが好きです!!!!」って言いたいなと思い始めた。
これが私の趣味なのだと気付いた。
だって幸せだから。


さて、先ほど挙げたお好みドカ食いメニューの中に、いくつか
チェーン店の名前があったかとおもう。
松屋だとか町田商店だとか。
これは別にチェーン店が好きだからというわけではない。
単純に〝ウーバーイーツにあるから〟だけである。

私は一人で外食することが苦手だ。
飲み物なら飲めるから、カフェはいける。
しかし飲食、食となった時点でハードルはあり得ないほど上がる。
藤君もびっくりの塔である。
これは私の些細で微細でしょうもないトラウマのせいである。
※過去編に入るので別に読み飛ばしてもいい

私は大学生時代コンカフェ(コンセプトカフェの略)で働いていた。
メイドさんである。ドリンクをもらって話したり、お客さんの注文してくれたフードを
一緒に食べたりすることも多かった。(あーんとかではなく、一緒につまむという感じ)。
私はそこで今後一切の不幸もはねのけてしまうほどに幸せな記憶を沢山貰って今生きているわけであるが、マアそういった形態の店ではあるので所謂オタクが存在する。
私を推してくれるオタク。
彼らのことを私は大好きであるし、私の存在が明日を頑張る理由の一つになればうれしいなと思っていた。卒業して何年か経つが、彼らが新しく推しを作ったとして、私との記憶が薄れてしまったとして、それでも私だけは二人の記憶をずっと抱き締めておくからね。そういった具合にみんなのことが大好きである。

しかし、一人だけいた。
本当にキツイのが。

彼は中年で、いつも狭い店内で私のことを目で追っている男であった。
私が誰かと話しているときも、オーダーを聞くために移動しているときも、机を拭いている時だって。
常に私を凝視し、ドリンクを入れた。
ドリンクの注文を入れられたキャストは自分の飲み物をもってその人の元で飲むしかない。売上だからだ。
彼らは規定時間一緒にお話しする権利を買っているわけである。

そして私がイヤイヤながら男の元へ行くと、男はいつも言うのだ。
「本当に可愛いね」
「結婚願望あるの?」
「可愛い子供を産むんだろうね」

まあキモイ。キモイがここら辺は慣れたものである。
何故ならこんなやりとりは日常茶飯事であるし、私は以前別の客から
「小さい箱にとじこめてクレーンで持ち上げて落としたい。」とか言われていたので。

だから最初は流していた。
視線は気持ちが悪いし、一挙手一投足をすべて肉欲を交えた視線で見られていると思うと気が狂うと思ったが、仕事のうちだしなと思っていた。

しかし、決定的な事件が起こる。

その日は雨で、客数は少ない日だった。
仲の良いオタクがきていて、男も来ていた。

仲の良いオタクはお腹が空いた私に、フードを頼んでくれた。
「やったーありがとー!!!」私はありがたく、そのフードを食べた。
その間、ずっと男からの視線は感じていたがいつものことなので無視をした。

それからオタクとしばらく話をしていると、男が私を呼んで、私のドリンクとそれからフードを頼んだ。
「一緒に食べよう」
別に珍しいことでもない。
男が頼んだフードを仕方なくたまにつまみながら話していると、男はいつも通り私の顔をじっくりみて、そして言ったのだ。
「美味しそうに食べるね。可愛いな。ますます好きになっちゃうな。」
そんな事だったと思う。
仲の良いオタクからだったら、きっと何とも思わなかったと思う。
なんなら「じゃあもっと食べちゃおー!!」といって別メニューを頼んだかもしれない。
しかし、この男に言われた途端感じたのは強烈な嫌悪と吐き気であった。

人間、閉じ込めてずっと監視していると気が狂うらしいが、もうこれに近かったのかもしれない。裸を見られることより、この男に食事風景を見られることが嫌だった。

それ以来、もう何年もたつが、飲食店に一人で入ると誰も彼もが自分を見ている気がしてならない。顔があげられない。ドリンクならまだしも、ご飯を食べるのは難しい。
一人で行けるのは一蘭くらいだ。

今もまだ、店のどこかから、あの男のじっとりとした目線を向けられている気がしてならないのだ。


ま、こんなわけで、誰かとであれば気にならないものの、一人だと途端に外食が出来なくなってしまったわけである。

しかし、せっかく趣味を【いっぱいご飯を食べること!】とするならば、もっとたくさんのものを食べてみたい。範囲を広げたい。

そんな気持ちが芽生え始めた私に訪れたのが【大阪ライブの当選通知】である。

さて、ようやくオオサカの話である。
オタクは聞かれてもいないのにすーぐ自分の話をするんだから。
イヤんなっちゃうね。

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