夏の終わりと巡るものと巡らないもの(2)
朝7時過ぎに階下へ降りると、妹がいつもよりせわしそうに準備をしている。何かあるのかと聞くと合唱コンクール当日だという。合唱コンの存在や、妹がそれに向けて練習を重ねていたことの一切を知らなかったことが、また「とつ」と、互いに分かれ道を進んでいることを感じさせたし、同時に、今年も夏が終わるのだなとも思った。
夏に僕は更に成長する予定でいた。
ところが蓋を開けてみると、タップダンスの如く足踏みをしまくった日々があっただけだった。やっと見つけたと思った観念も、人や、人の創ったものに