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寡占が過ぎませんか?CapitaLandによるSCキャピタル買収

シンガポール国内の話ですが、大手不動産企業のAM部門CapitaLand Investmentが不動産SC Capital Partnersを買収する、とのニュースが出ました。SC Capitalはジャパンホテルリート(J-REIT)のスポンサーをゴールドマンから引継ぎ、運営していますが、今後はCaptaLand系のREITになるということです。40%でSGD280Mなので、100%だと800億円くらいの企業価値です。AUMはSGD11B(1.2兆円)だそうです。SCCPは、22年には大和ハウスから日本国内のリゾートマンションと運営会社を556億円で買い取り、リブランドして運営しています。ちなみに、その金主はアブダビ投資庁だと報じられています。

CapitaLandはS-REITでAscott Residence Trustという住宅とホテル・SAを含むREITをやっており、日本でも開発や保有をしていますが、こことの棲み分けをどうするかが注目です。日本の物件をどちらかに寄せるんでしょうか?
CapitaLandは、J-REITではビ・ライフ投資法人(モリモトがスポンサー。現在は大和ハウスリート)に資本参加しており、リーマンショック後に錦糸町のオリナスや南船橋のビビットスクエアなどで痛手を負って縮小していたので、日本市場での捲土重来を期していることでしょう。

広く知られていることですが、CapitaLand Investmentは53%がテマセク(=国)が保有しています。一応上場していますが、民間とは言いにくい立ち位置です。シンガポールは他の業界もテマセクが大株主の企業がたくさんありますが(DBS、シンガポール航空、シングテル、等々)、不動産はMapletree(100%)、Jurong Town Corporation(JTC、100%、工業団地の地主)、Keppel(21%)、GIC(国の年金。株も含め色々投資していますが、不動産は海外がメインらしいです)あたりがパワープレイヤーです。
中でもCapitaLandは、2000年の DBS Land(DBSの子会社)とPidemco Landの合併後、最大手デベロッパーとして成長しながら、2019 Ascendas Sinbridge(主にインダストリアルパーク等が得意な企業)をテマセクからSGD11Bで買収し、シンガポールの不動産企業として圧倒的な地位を築いています。開発事業がボラが大きいとのことで、2021年にAM部門だけ上場し直したのが、現在のCapitaLand Investmentです。

資金力があるのは分かるんですが、独禁法とか関係ないんですかね?

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