書くことがない【日記】
寝るまでは今日。少なくともわたしはそう思っている。
けれどもnoteの見解は違うようで、0時を過ぎると明日になってしまう。
明日になることの何が嫌かって、noteの連続投稿記録が途切れてしまうこと。
まあ、そこまで厳密にやってるわけじゃないからいいんだけど。
そもそも、0時を超える前に投稿しておけという話だけど。
わたしに計画性を求めないでほしい。
魔法の砂時計とかがあればいいのかもしれない。
時を戻す砂時計。
それは大型犬ほどの大きさで、大鎌を持ったおじいさんが管理している。
わたしは窓口で切符を買って、おじいさんに差し出す。
「何時間だい」
「ええと、適当な日記を書くだけなので、1時間……いや、2時間ください」
「んじゃ、ひっくり返しな」
あごをしゃくるおじいさん。
「え、これって自分でやるんですか」
「当たり前だろ。じいさんがそんな重いもん持てるかい」
そう、大型犬サイズの砂時計はぎっしり砂が詰まっていて重い。おじいさんが持ち上げるのは難しいだろう。だがこちらも女子である。非力なのである。
そんなことを言っても仕方ないので、頑張ってひっくり返した。とりあえず2時間。待つ。待つ。待つ。
あれ?
「これって、いま時が戻っているんですか?」
「うん」
「なんか、髪が短くなっているような…」
「うん」
「え?いまどれだけ時が巻き戻ってるんですか?」
「3年」
「え?」
「ああ、もう5年だ」
「え?!!」
だんだん、身長が縮んでいく。体中が変な音を立てて、わたしはこどもに戻っていく。
「え?!!え?!!!たすけて!!!!」
「砂時計を元に戻せば、時が正常に進むさ」
「持ち上げられない!ひっくり返せない!!」
「じゃあ、そのまま消えちまうね」
なんで。どおして。砂どけいにはりつくけど、ぜんぜんうごかせない。どんどん目線が下がっていく。ゆびがぷくぷくしてきて、砂どけいをたたくけどぺちぺちおとがするだけでぜんぜんうごかない。そしたらめがかすんできてしぱしぱねむくなってきておくちがまわらなくなってきてわたしはくらいくらいばしょにずっとくらいところにせまくてはりつくあなぐらにいきをするひつようもなくただねむった。
「お客さん、お客さん」
はっと目を覚ます。目の前には窓口の職員さん。わたしの姿はもとの通りに戻っていた。
「ダメですよ。お客さんの切符で戻せる時は最大で1日。なんで生まれる前まで戻っちゃったんですか」
「わたしは最初2時間前に戻るはずだったんです。でもこのおじいさんが加減を教えてくれないから」
「聞かれたら答えたさ。でも、聞かなかったろう」
なんて不親切。そのせいであやうく生まれる前に戻るところだった。
結局、わたしは超過分の料金を余計に取られ、2時間の時を巻き戻せないままこの日記を書いている。
眠い。
時間管理って大切だ。
おわり。