ヒミズ、を観た!
制作:2011
監督:園子温
撮影:谷川創平
出演:染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲
■あらすじと感想
中学生で母親に捨てられ、蒸発した父親が舞い戻り虐待される住田。そんな環境に生きるだが住田は平凡な生活を送る事を夢見ている。住田に心を惹かれる同じクラスの茶沢。だが、父親を殺し、絶望に悪いやつを殺そうと町を徘徊する。茶沢は住田に生きる希望を取り返してほしいと願う…、という感じでしょうか。あらすじは非常に難しい。筋を追うべき作品ではないのだろう。
■ヤングマガジンで読んでいた閉鎖的な漫画の印象と人間が演じる映画に当然のズレがあるが、人間の心のヒダというか突破しきれない鬱々とした心情を描く古谷ワールドを明確に表現したこの映画は素晴らしいと思いました。二階堂ふみ・染谷将太のコンビは非常によいキャスティングで、特に園子温監督に常連の二階堂ふみのぶっ飛んだ存在がはまっていると思う。
■二階堂ふみを観ていると、女優とはどういう生き物か?という疑問にぶち当たりそうになるが、Like a Rolling Stoneでよろしいのでしょう。
■印象に残ったカットは、漫画でも印象的であった湖に浮かぶ家の屋根のカット。それと最後の二人で走るシーン。これは希望へ向かっているのか?どこに向かっているのか?全く分からないのが良い。
■染谷将太がただ物ではないのであろう、という事、そして二階堂ふみは凄い!と思わせ、谷川創平さんというカメラマンの映像構成の完璧さが印象的な作品でした。当然、それを司る園子温監督も安定した演出力を見せつけています。
精神的に余裕のある時にもう一回見たい作品です。
ではでは。