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もらとりあむタマ子、を観た!

制作:2013
監督:山下敦弘
撮影:芹澤明子・池内義浩
出演:前田敦子、康すおん、富田靖子

■あらすじと感想
大学を出て、家に戻り何をするわけでもなく家でゴロゴロしているタマ子。父親と二人暮らしで時折父親の言葉にブチ切れする。そんなタマ子の日常を描きながら、タマ子が何かに動き出すまでを描いた作品。でも何に動き出すのかは、全くわかりません…。

■一年間を通じての撮影と進行で、季節ごとに春夏など表示されるのですが、残念ながらイマイチそれが伝わって来ないのです。長期にわたっての撮影だったと想像するのですが、タマ子演じる前田敦子に変化がないのがこういう結果になったのでしょうか。このような「自堕落な」若者を演じるには前田敦子は前向き過ぎるのでしょう。
また、冬にコートに襟巻、夏にTシャツのような衣装ですので、家でゴロゴロ感が出ないのでしょう。そんな人は冬でもTシャツに何かを羽織る感じになると思うのです。何故なら、人に会うこともなくその場を凌ぐだけの毎日だからです。
あともう少し「寂しい感じ」を出してほしかったですね。孤独に苦しんでいるような。苦しんでいないから、「ブチ切れ」が「ただ大声出している」ように見えてしまうのですね。折角、スター・前田敦子とお仕事ができるのですから、本当に「何も起きない日常」を描いて欲しかったと思いました。

またこ (2)

■印象に残るカットは、タイトルカット。タマ子が寝床でゴロゴロしているシーン。何か起こるかな?と想起させるカットです。

■何か起こるかな?と見せかけて何も起こさない表現で観客の興味を維持する、という難しさを感じました。自分ならどうするか?少し考えてみたいです。

ではでは。

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