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心臓リハビリテーションにおける5METSの意義~5METSを評価する方法~
こんにちは☀️
理学療法士のまるです。
前回の記事で心臓リハビリテーションにおける5METsの意義・意味について記事を書きました。
前回の記事
https://note.com/preview/na58790404e51?prev_access_key=d97b0467731b7271963d50b0cdc70083
CPX普及率と現状
心肺運動負荷試験(Cardiopulmonary Exercise Testing,以下CPX)は運動耐容能評価のゴールドスタンダードとされ、心臓リハビリテーション患者に対しては、その実施が強く推奨されています。しかし、2020年の報告では、CPX の普及率は全国で21%にとどまっていると報告されております。
要因として、高齢心疾患患者においては運動器疾患や脳血管疾患の重複障害により日常生活動作に支障を有する者が高率で認められていること、運動耐容能を評価したくてもCPX の検査機器がない、あるいは症例のコンディションによりCPX が実施できない例があることが挙げられます。
5MTEsを評価する方法~身体機能評価~
今回は、前回の記事の続きになりますが、CPX を用いずに5METS を評価する方法について先行研究を交えて紹介していきたいと思います。
①膝伸展筋力
膝伸展筋力は、心疾患患者のみならず、様々な疾患において測定する比較的簡便な評価です。
膝伸展筋力は冠動脈疾患患者の予後規定因子であるとともに、膝伸展筋力体重比によりMETsのおおよその予測ができるとの報告もされております。
冠動脈疾患患者の予後規定因子であり、膝伸展筋力は最高酸素摂取量(Peak VO₂)予測因子である
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慢性心不全男性患者における下肢筋力指標として膝伸展筋力1.70Nm/kg を
示した
スライドの結果より、5METS相当の膝伸展筋力体重比は46%必要だという結果になります。
例)体重50kgの男性であれば約23㎏相当の膝伸展筋力が必要
臨床において、膝伸展筋力体重比を評価し内容によって運動プログラムを変更してもよいかもしれません。
②握力
握力も膝伸展筋力と同様に、標準的な測定項目であり、現在ではフレイルやサルコペニアの診断基準にも用いられております。また、被検者も握力測定は検診などで測定されており、ベッドサイドで簡便に評価できる項目です。
日本人男性心不全患者148 名において握力は予後予測因子
PeakVO₂が5METS 相当の握力は35.2kgf(約345N相当)
③身体活動量
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