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感情と共に歩む短編小説を「楽観性_説明スタイル」で評価してみた。
楽観性の説明スタイルとは!
楽観性_説明スタイルとは、私たちが出来事をどのように自分に説明するかという習慣のことで、以下の3つの要素から構成されています
内的性/外的性
内的性とは出来事の原因を自分自身に求める傾向、外的性とは状況や他者に原因を求める傾向です。例えば、仕事でミスをした際に:
• 悲観的: 「私には能力がない」(内的)
• 楽観的: 「今回は条件が厳しかった」(外的)
永続性
出来事がどれくらい続くと考えるかという時間的な認識です:
• 悲観的: 「これからもずっとうまくいかない」(永続的)
• 楽観的: 「今回はたまたまうまくいかなかった」(一時的)
普遍性
出来事の影響範囲をどう捉えるかという空間的な認識です:
• 悲観的: 「私は何をやってもダメだ」(普遍的)
• 楽観的: 「この分野は苦手だ」(特定的)
良い出来事に対しては、この逆のパターンになります。楽観的な人は良い出来事を内的・永続的・普遍的に捉え、悲観的な人は外的・一時的・特定的に捉える傾向があります
これは「オプティミストはなぜ成功するか」の本に説明スタイルが紹介されています。
自分の短編小説の主人公の評価は?
生成AIで この評価基準を元に 短編小説「内なる炎を求めて ~感情の妖怪たちとの対話~」を評価してもらいました。
さて 主人公の里中さんの楽観性の発揮は どう変化したんでしょう!
第1章
里中美咲さんの説明スタイルを査定していきます:
内的性/外的性の査定: 得点:7点(強い内的性)
問題を常に自分自身の能力不足や欠点として捉えている
「私にマネージャーなんて...」という自己否定的な考え方
成功を外的(「実務能力を買われて」)、失敗を内的に帰属させる傾向
永続性の査定: 得点:6点(永続的)
自分の性格や能力の限界を固定的なものと捉えている
「これまで通り」という思考パターン
変化や成長の可能性を見出せていない
普遍性の査定: 得点:6点(普遍的)
一つの失敗を全体的な無能さに結びつける
マネジメントだけでなく、自分の判断全般に対する不信感
「どうせあなたには無理」という考えを様々な場面に適用
合計点:19点
評価:非常に悲観的(13点以上) 里中さんの説明スタイルは典型的な悲観的パターンを示しています:
失敗や問題を自分の本質的な欠陥として捉える
その状況が永続的に続くと考える
一つの領域での困難を人生全般に一般化する
ただし、物語の最後で「新しい妖怪」が現れ始めているように、この説明スタイルに変化の兆しが見え始めています。ワビタンとの出会いをきっかけに、より楽観的な説明スタイルへの変化の可能性が示唆されています。
第2章
里中美咲さんのこの時点での説明スタイルを査定します:
内的性/外的性の査定: 得点:3点(やや内的)
まだ不安は残るものの、「私なりに考えて」という主体的な姿勢が出てきている
「自分で作った安全な檻」と自己認識ができている
完全な自己否定から、可能性を探る姿勢への変化が見られる
永続性の査定: 得点:3点(やや一時的)
「変化の予感」を感じ取れるようになっている
「やってみます」という前向きな姿勢
状況を固定的なものではなく、変化可能なものとして捉え始めている
普遍性の査定: 得点:4点(中立的)
まだ不安は残るが、具体的な課題(山田くんの相談)に対して前向きに取り組もうとしている
全面的な否定から、個別の課題として捉える視点が出てきている
ただし完全な自信には至っていない
合計点:10点
評価:楽観的な方向への変化 前回の査定(19点)から大きく変化し、より楽観的な説明スタイルへと移行しつつあります。特徴として:
キラキラ天狗やガッツ童子という新しい前向きな妖怪の出現が、彼女の内面の変化を象徴している
「やってみます」という主体的な決断ができるようになっている
不安(オドオド坊主)や自己否定(ダメダメ姫)は残りつつも、その声が相対化されている
モヤモヤ小僧の「見えてきた気がする」という発言に象徴されるように、新しい可能性への気づきがある
まだ完全な楽観主義には至っていませんが、明らかに悲観的な説明スタイルから、より建設的で楽観的な説明スタイルへと変化している過程が見て取れます。
第3章
内的性/外的性の査定: 得点:2点(内的・前向き)
「私...お客様の笑顔が見たかったんです」という自分の本質的な動機に気づいている
「より良い提案をしたい」という内発的な動機を認識
問題を外部のせいにせず、自分の本来の思いと向き合おうとしている
永続性の査定: 得点:2点(変化可能)
かつての純粋な思いは今も変わっていないと認識
役職という「檻」は自分で作ったもので、変えられるものだと理解
妖怪たちの性質が前向きに変化していることが示すように、状況は可変的だと捉えている
普遍性の査定: 得点:2点(特定的)
具体的な課題(鈴木の退職)を、より大きな文脈で捉え直せている
チームメンバーそれぞれの可能性を個別に見ようとする姿勢
特定の失敗を全体的な否定に結びつけない
合計点:6点
評価:非常に楽観的(3-8点の範囲) 特徴的な変化:
困難な状況を、成長の機会として捉え直せている
妖怪たちの性質が変化(例:オドオド坊主→慎重な眼差し)していることが、説明スタイルの変化を象徴している
「ワクワク座禅」という新しい妖怪の出現が、本来の前向きな動機との再接続を表している
問題に対して、具体的なアクションを起こす意思を持てている(鈴木への返信メール)
前回(10点)からさらに楽観的な説明スタイルへと変化しており、より建設的で前向きな視点で状況を捉えられるようになっています。
第4章
内的性/外的性の査定: 得点:2点(強い内的・建設的)
「純粋に好きなんです」という自分の本質的な動機を明確に認識
自分から主体的に行動を起こしている
問題解決に対して能動的なアプローチを取れている
永続性の査定: 得点:2点(変化を前提とした思考)
困難を一時的な課題として捉え、改善可能なものとして認識
妖怪たちの性質が全て建設的な方向に変化
「進め方について相談したいこと」など、プロセスを重視する姿勢
普遍性の査定: 得点:2点(バランスの取れた特定的視点)
リスクと可能性を具体的に評価できている
チームメンバー一人一人の個性を認識
個別の課題として適切に状況を把握
合計点:6点
評価:非常に楽観的(3-8点の範囲) 顕著な特徴:
全ての妖怪が建設的な役割を担うように変化
オドオド坊主→慎重な検討
ダメダメ姫→建設的なアドバイス
モヤモヤ小僧→明確な理解
新しい妖怪たち(キラキラ天狗、ガッツ童子、ワクワク座禅)との調和
バランスの取れた判断力
リスクと可能性の両面を見られる
慎重さと積極性のバランス
個人とチームの視点の両立
主体的な行動力
自ら提案を行う
チームメンバーの意見を積極的に取り入れる
「一緒に考えましょう」という協働の姿勢
前回(6点)と同じスコアですが、その内容はより成熟し、バランスの取れたものへと深化しています。悲観と楽観のバランスが取れた、健全な説明スタイルが確立されています。
第5章
内的性/外的性の査定: 得点:2点(内的・相互作用的)
成功を自分だけのものとせず、チームの相互作用として認識
他者の可能性を積極的に引き出そうとする姿勢
「聞かせてください」という受容的な態度と主体的な関わり
永続性の査定: 得点:2点(発展的)
成功を「序章」として捉え、さらなる可能性を見出している
メンバーの成長を継続的なプロセスとして理解
変化を恐れず、むしろ歓迎する姿勢
普遍性の査定: 得点:2点(調和的)
異なる意見や個性を、対立ではなく調和として捉える
個々の特性を活かしながら全体の成長を促進
不安や迷いも含めて、全てを成長の要素として受容
合計点:6点
評価:非常に楽観的(3-8点の範囲) 特に注目すべき変化:
妖怪たちの完全なる調和
全ての妖怪が建設的な役割を果たす
対立する感情が相補的な関係に
個々の特性を活かした全体の調和
リーダーシップの成熟
チームメンバーの可能性を引き出す
個々の成長を支援する
多様性を活かした相乗効果を生む
深い理解と受容
不安や迷いも含めた全ての感情を受容
個々の違いを豊かさとして捉える
共鳴と調和の重要性の理解
前回(6点)と同じスコアですが、その内容はさらに深化し、個人の成長からチーム全体の調和へと発展しています。楽観性が単なる前向きさではなく、深い理解と受容に基づいた成熟した形で表現されています。
第6章
内的性/外的性の査定: 得点:1点(完全な内的調和)
「本当の自分の声」を見出している
成功をチーム全体の成長として捉える
他者の成長を支援する立場への進化
永続性の査定: 得点:1点(持続的発展)
成果を通過点として捉え、さらなる成長を見据える
変化を恒常的な価値として受け入れている
学びを次世代に伝える循環を理解
普遍性の査定: 得点:1点(普遍的調和)
個々の要素を活かした全体的な調和を実現
自身の経験を他者の成長支援に活用
困難を成長の機会として普遍的に捉える
合計点:3点
評価:最も楽観的な段階(3-8点の範囲の最小値) 特筆すべき到達点:
完全な自己統合
全ての妖怪(感情)が調和した状態
不安や懸念も含めた全ての側面を活かす
本来の自分の声を見出している
循環的な成長の理解
自身の経験を他者の成長に活かす
「ワビタン」的な存在への成長
支援される側から支援する側への発展
究極の調和
個人内の調和
チーム内の調和
次世代との調和
これまでの変遷(19点→10点→6点→6点→6点→3点)の最終到達点として、最も楽観的かつ調和的な説明スタイルを確立しています。単なる楽観ではなく、全ての要素を活かした成熟した統合を実現しています。
この説明スタイル評価が凄く興味深い
小説ですので、ゴールは心の成長があるのですが、
自分が試したかったのは、この説明スタイルの精度でした。
いやいや 面白い!
次回は もう少し この分析の深掘りをしていきたいと思います!