【バトン連載】ペイフォワード ありがとうの続き|縁をつなぐエッセイ vol.19|文:Chika@石垣島
はじめに。
尊敬してやまないルミさんに最高の敬意を表し、このバトンを繋いでいただいたことに心から感謝します。
実は、私の心の中にはずっと
「恩返しできてない!!」
という拭いきれない思いがある。
16歳で地元を離れ、旅をしながら世界を転々としてきた私は、行く先々でありえないほどの御恩を受けてきた。
「このご恩は一生忘れません」
と何度心に思ったことだろう。
東京にも行ったことのない田舎娘の私がいきなりNYに降り立って、速攻でスリに遭いそうになって助けてもらったり
タイの電車では、知らずに格安の夜行列車に乗ってしまい、どうみても危険に晒されて車掌室に泊めてもらったり
ヒマラヤ山脈の麓の村では、小さな旅行代理店で飛行機の予約をしたつもりが、ぼったくられていて、それに気づいた隣村の方が私に代わって、怒り心頭で隣村まで怒鳴り込んで行ってお金を返してもらったり
あげればきりがない程
私はたくさんの方々に助けられている。
特に忘れられないのが、インドで勃発した<ミラクルバトン>
呼ばれた者しか辿り着けないと言われるインド。
旅人として憧れのインドから、いつお呼びがかかるのだろうとずっと待ち侘びていた20代。それは25歳くらいの時にやってきました。
確かに呼ばれた気がしたんです。
だけど、その旅のはじまりは、インドデリ行きの飛行機に乗り遅れたところから始まりました。
「ヤバイ。これはまずい・・・この展開はもしかして私、呼ばれてないーー?泣」
その夜、心を入れ替えて誓いました。
「私本当にインドに行きたいんです。どうか、私にもう一度チャンスをください」
そして翌日、無事にインド行きの飛行機に乗ることができました。
それどころか、飛行機を待ってる搭乗口でインドの女の子と友達になりました。
彼女の名前はニーハ。
あっという間に搭乗の時間になってお互い確認すると・・・なんと驚いたことに、ニーハと私は同じ飛行機の隣の席!!!
運命すら感じ意気投合した私たちは、5時間のフライトの中で一緒に音楽を聴いて、好きな作家、村上春樹の著書について語り合ったり、とにかく仲良くなりました。
そして、インドに離陸する時に聞かれました。
「今日はどこに泊まるの?」
実は、生粋の旅人だった私は宿を予約していません。こんな夜に、デリのその街に1人で行くなんて危なすぎるよ泣 とニーハはとても困っていました。
それでも私は、覚悟を決めていたしもう後戻りはできません。
デリの空港を出る直前、ニーハも意を決したように
「うちくる?」
そのお誘いはとっても嬉しいものの、インドではどんなにいい人でもついていくべからず!と旅のベテラン人にもこっぴどく言われていたことが脳裏によぎります。
ニーハは天使?それとも悪魔?
もう、いずれにしても私は危ない橋を渡るしか他なく、私も意を決して「行く!」と言ってついていくことにしたのです。
突然の日本人の訪問に、ニーハ家族から、戸惑いながらもすばらしいおもてなしを受けました。
翌日、私は「神への扉」という遠い街に行く予定で、そのことがニーハからその兄に伝えられ、その兄から神への扉の街にいるお兄さんのお友達に伝えられて、私がその街に無事到着し長距離バスを降りたすぐそこに、お兄さんの友達クリシュナが待っていてくれたのです。
そして彼女は言いました。
「あなたのミラクルバトンは私が受けとったわ」
それから彼女の自宅に何泊もお世話になり、一緒にガンジス川で沐浴をして・・・
更にその「ミラクルバトン」という名の奇跡のご縁のバトンはアーユルベーダーの女医さんに繋がれて・・・
いわずもがな。私はとんでもなく素晴らしい体験をすることとなったのです。
そう。
だから「私には返せていない恩」が死ぬほどある。名前も知らない方達に、めちゃくちゃ親切にしてもらって助けてもらって、死ぬほどThank youと言ってはいてもそれでは全然足りている気がしない。だけど、名前も知らないから直接お返しすることはできない。
沢山の方にお世話になった旅人の私は、頭のどこかで、(いつか私もおばさんになった頃、旅人を迎え入れる人になっているんだろうな)という確信を持っていた。
そうしたらいつか私も、旅人の心に残るような人になりたいな。なんていう漠然とした「夢」を抱いていたんです。
それが、今ここ石垣島で夢が叶っています。
これまた奇跡的に、念願だった自然と人間界の境界線がないような場所で、世界中から旅人を迎える宿[moment] をさせて頂いています。
念願叶って、毎日とっても楽しく世界中の旅人たちに、私の恩返し「ペイフォワード」をさせて頂いている。なんと有難いことでしょう。
それでも、私の恩返しはまだ足りている気がしません。
思い返すと、旅の途中で出会った人たちで今私の心に残っているのは、何も助けてくれた人だけではない。
アメリカの地下鉄の窓口で初めて「Sweet heart」と言ってくれたとても大きな黒人女性だったり
ボストンの道端で「あなたのコーディネート最高♡」と声をかけられたことだったり
道端でJazzを演奏している人だったり、食堂で目があってウィンクしてくれたことだったり
スクーターでジャングルを3人乗りで駆け抜けたことだったり
それらはとっても小さくて
それらは一瞬だけど
確かに心と心が通じ合ったその瞬間
そんな瞬間のことを私は覚えている
それはいつまでも輝いている旅の思い出
そう思うと、ありがとうのつづきも恩返しも難しくはない。
今日、出会った人と心と心を交わしていればいいだけ。
だから、あしたもあさってもありがとうのつづきを永遠に繋いでゆきたい。
Momentは、瞬間という意味。ここに来た方たちが自然の中で、瞬間を捉えられるほどマインドフルになる場所を目指しています。
全ての国籍、性別、障害、職業、年齢問わずどんな方でもWelcomeです。
私の旅の話やスピリチュアルなこと、LGBTQなどのお話などなどな〜んでもall ok*お気軽に遊びにいらしてください♪
Chikaでした。
つなぐバトン
次のバトンは、米原在住で同じセラピスト仲間のメグちゃんにお渡しします。
この記事を書いた人
Chika
moment owner
Human nature Japan Founder
リトリートファシリテーター
霊氣マスター
moment
石垣島桴海644-30
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