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若者たちと一緒に、畳をつくりました!
昨日(8月24日)は、中学生~大学生と一緒に、まる2階和室で使用する畳をつくりました!
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「松葉畳店」の伊藤さんにご協力いただき、貴重な体験をすることができました!ありがとうございました。
まるの畳を搬出、そして採寸
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朝8時にまる集合。
参加者は、
・スタッフかんちゃん、よこしん
・中学生サッカー部「こた」
・高校中退、15歳社会人「らお」
・通信制高校所属「そら」
・焼津出身大学生「げんちゃん」
の6人。
まずは、伊藤さんの指示のもと、2階の和室の畳を剥がして外へ運び出します。2部屋分で、16畳!
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その後は、和室の採寸です。
「一畳」というけど、畳のサイズは、一定じゃないんです。木が微妙に曲がっていたり、柱が出っ張っていたり。だから、新しく畳を作るとき、部屋にぴったり合うように採寸が大切です
採寸は、「尺」「寸」の単位で行います。
専用の工具やレーザーを使いながら、床の各辺の長さを測っていきます。
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基準となるサイズより、何寸短いか、長いか。それを、「一寸五小強」(いっすん・ごしょう・つよ)などの専門用語で示します。
若者たちも、最初は独特の測り方に戸惑いつつ、終盤には「三寸小です!」「これはちょっと『よわ』かな」と自分で判断できるようになっていました。
スタッフ2人は最後まで頭が混乱し、「二寸四小!」と叫んでは若者たちに「いや、それは大です」と訂正される始末。
驚きの吸収力。
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和室2部屋分の採寸を終えると、↑のような図面が完成。これをもとに、新しい畳をつくっていきます。
いざ、車に乗って、工場へ移動!
「畳を作る」ってどういうことか。そして、い草へのリスペクト
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工場へ到着!
ここから、新しい畳を自分たちで作っていきます。
※詳細な手順は不確かになってしまうので割愛させてください。。
まずは、「畳床」と「い草」を機械にセット。
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これらを採寸したサイズに合わせてカットした後、たわみの無いよう丁寧に仕上げをしていきます。
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印象的だったのは、伊藤さんの、仕事への誇りと、い草へのリスペクトでした。
もし、家が一寸の狂いもなく作れるようになったら、畳屋の仕事は要らなくなる。でも実際には、家というものには必ずひとつひとつズレがある。そこにぴったり合うように作るんです。
い草は、種植から収穫までに1年7ヶ月かかる。それを編んで、畳屋が買うまで、農家さんは収益がないわけです。
焼津では、い草農家も畳屋もどんどん減っている。今どき、新築の家に和室をつけるのを嫌がる人も多い。でも、一度はい草の田んぼに、是非行ってほしい。本当に美しい。そしてこうして畳を作る工程を見たら、「畳なんて要らない」とは思わないでしょう?
若者たちは、「畳って本当にいい匂い」「こういうふうにできてたんだ」「い草って、ほぐすとこういう手触りなんだ」と、五感を使って畳作りを味わってくれました。
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そして、自分たちで作った畳のウラ側には、メッセージを仕込みました。
本来は「まるのどの部屋のどの部分の畳か」を示すためのメモ書きだけ。でも、せっかくなのでみんなの名前と今の年齢、そして今の思いを書いたのです。
「次にこの畳を取り替えるのは、おそらく15年後くらい」と言われたので、さながら15年後の自分に届けるタイムカプセルの気持ちでした。
なんと美しい若者たちのメッセージ!!!一部モザイクをしていますが、好きな人と結婚したいという目標も掲げられていました。
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最後は、「へり」と呼ばれる畳縁部分の柄を自分たちで選び、きれいに縫い合わせて、完成。
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初めての畳作り、それを、年齢もバックグラウンドも異なるメンバーで肩を並べて実現できた一日。
スタッフ目線でも、「なんて良い時間なんだ…」とため息をついてしまうような(笑)、素敵な機会となりました。
若者のみんなと、15年後に畳のウラのメッセージを読み直すのが楽しみです。
松葉畳店の伊藤さん、本当にありがとうございました!
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