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2021 大阪大会での出来事 〜お婆ちゃん〜

2021 大阪大会での出来事 〜お婆ちゃん〜


ちょうど高校野球の
大阪大会が始まって間もない頃、
大阪の強豪校の一回戦があったので舞洲(大阪シティ信用金庫スタジアム)へ試合を観戦に行きました。


その試合は第一試合で強豪校がコールドで勝ち
僕は「今年はこんな感じのチームかぁ〜」とか思い、
満足してたんですが、朝早くから起きて
この一試合だけ見て帰るのはもったいないなぁと
思ったので二試合目も少し観戦することにしました。


二試合目は私学vs公立の試合で一試合目に比べると
少し観客も減り、両チームの学校関係者、保護者、部員が
目立つ観客席でした。


シートノックが終わり、そろそろ試合が始まろうとする頃に
僕の席の前にお母さんらしき方とお婆ちゃんが座りました。


お婆ちゃんは僕が見た感じですが、結構高齢者に見えました。
まず、「こんな灼熱の舞洲やのに暑さ大丈夫かな?熱中症になれへんかな?」と思いました。


そのお母さんとお婆ちゃんは席に座ると
すぐさま日傘をさしました。


本来、球場でしかもバックネット裏の下段で
日傘はなぁ〜なんて思いましたが、
こんな暑い中の観戦やし、人も少ないし
俺がひとつ席を横にずれたらええかぁ〜と思い
席をずらしました。


試合が始まるとすぐにわかったのが
公立高校の3番ショートの選手の
お母さんとお婆ちゃんということがわかりました。


ネクストバッターズサークルに3番ショートの子が入ると
お母さんはカメラを向け、お婆ちゃんは拍手をしてたからです。


この試合、私学のチームは部員も多く先制点も獲り
公立のチームは部員が少なく限られたメンバーでの総力戦で
試合の流れでいくと私学のが優勢といった試合です。


3番ショートの選手のところには
幾度となく打球は飛んでくるのですが
うまく捌き、ナイスプレーが続きます。


打球が飛ぶ度にお母さんとお婆ちゃんは反応し、
アウトを取るとお婆ちゃんは拍手しています。


試合中盤、公立のチームがチャンスを作り
チャンスの場面で3番ショートの選手に打順が回ってきました。
お母さんは「頼むで〜」とボソッと言い
お婆ちゃんはなにも言わず、手を合わせて祈ってました。


すると3番ショートの選手はライトにツーベースの
タイムリーヒットを打ち同点となりました。


この瞬間、球場は雰囲気は完全に公立側。


僕もこのヒットが出た瞬間に思わず声が出てしまい
「おっ!ナイスバッティング!」て言うたんです。


すると、

お婆ちゃんが僕の方を振り向き
「私の孫なんです」と言ってきました。

僕は「なんとなくですけど、気づいてましたよ!すごいですね!」と言うと

お母さんは「試合中に話しかけてすいません〜笑」と言いました。

全然、大丈夫ですよ〜!この試合おもしろいですね!
なんて談笑してると、

お婆ちゃんが
「ずっとコロナで会えなくてね」
「久しぶりに孫を見れたんですよ」
と言ってくれました。


僕はすごい胸が熱くなりました。

「見れた。」
これってまだ会えてないんですよね。
ここにはまだ距離があり、コロナというものは
改めてひどいもんだと思いました。

お婆ちゃんは続けて、
「ずっと今まで野球頑張ってきてたから
夏の試合だけは見に行きたくてねぇ。
今日は試合と孫が見れて嬉しいんです。」
と言いました。

さらに僕は胸が熱くなる。

「すごい活躍ですねぇ〜!
めちゃ暑いので熱中症だけ
気をつけてくださいね!」

僕はそれぐらいの言葉しか見つからず、というか
これ以上しゃべったら泣いてまいそう!が本音でした。笑

あの暑い中、観戦するのはお婆ちゃんにとっては
すごい大変なことやと思うけど、
孫の頑張ってる姿を見たい!という思いが溢れていたから
こそ暑さにも負けなかったのかな。

結果、私学のチームが勝ち公立のチームは敗退しました。

本当の高校野球のおもしろさと感動は
地方大会にあります。


もちろん、甲子園もおもしろいですが。

甲子園、地方大会も含め
全試合一試合一試合に
ドラマがあります。

「高校球児は自分の為に野球をやっているけど
その野球ができる環境を支えてくれた人への
感謝の気持ちや恩返しをこの夏の大会に懸けるんです。」

さらに甲子園出場している高校は
県代表で出場し、負けていった
高校の分の想いも背負い戦います。

皆さんも、これから一度地方大会にも
目を向けてみてください!

現在、全国各地で秋季大会が開催されています。
つまり「センバツへの道」がはじまったということです。

地域によれば無観客、有観客とありますが
大阪大会は5回戦?から有観客だったかな?
球場で観戦できるタイミングになれば
また記事にしたいと思います!

【Life is Art】
マル/maru

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