【アークナイツ】雑記—考察サーバー「ロドスの図書館」についての記録
当該記事では、私が管理人を務め、7/30を以て解体したアークナイツ考察サーバー「ロドスの図書館」(以下「図書館」という。)について、覚えている限りの活動と、失敗点、仮に今後同様のサーバーを立ち上げようとする人に向けてのアドバイスを記そうと思う。
発足
図書館設立のきっかけは、とあるYoutubeチャンネルにゲストとして呼んでもらった時のことである。
「アークナイツファンラジオ」(なお、当時は「PRTSラジオ」の名であった。Twitter/YouTube)の番組『アーミヤのいない日曜日』に考察勢として呼んでもらった回で、パーソナリティのじゃがぁさん(Twitter/ YouTube)という方から「ディスコードサーバーとか立ち上げたらどうですか?」という旨の発言を受けたことに起因する。考察好きな人とかには語りたがりが多いだろうから、それ用のサーバーがあるときっと楽しいだろうと。余談だが、この時は実家暮らしだったため家で配信できず、近くの快活クラブを利用した思い出がある。これが人生初のネカフェ利用だった。
当時の私はただ独りYouTubeでちょこちょこ考察動画を投稿していただけだったが、動画に熱心にコメントをくれる人がいたこともあり、どうせならとサーバーの立ち上げ準備をひっそり開始した記憶がある。
そもそもDiscordはアカウントこそあれ、ちゃんと使い始めたのが上記番組に出るためであり、ずぶの素人であったのでサーバー立ち上げなんてできるのかと思いながら準備を進めていた気がする。
Twitterの投稿を振り返ると、どうやら準備開始は2022年2月28日。上記番組が2022年2月20日のため、実に約1週間で立ち上げを決意したようである。何とも乗せられやすい人間だ。
その後着々と準備が進み、同年3月10日に無事アークナイツ考察サーバー「ロドスの図書館」が設立した。「作ってみたら?」と言われてからわずか18日のことである。仕事が早い。
活動と広がり
その後しばらく図書館は人数約20人程度で活動を続け、同年6月5日にサーバー参加者とともに初の合同記事を投稿した。モチーフについての考察記事である。
その後、図書館には当時の黒wiki管理人の石割さん(Twitter)と黒wiki翻訳担当のミヨーさん(Twitter/note/YouTube)が加入した。これが同年6月9日辺りのころである。
なおこのミヨーさんという人物、後に私がJP版だけでなく、EN版/大陸版を加えて3アカウントでプレイすることになった恩人(元凶)である。
それからしばらくして、私が石割さんのYoutubeライブを視聴していた際に、ありがたいことに石割さんがサーバーの宣伝をしてくださった。当時の私は「ありがたいな~。これで参加者100人くらいになるかな?流石にそれは難しいかな、うふふ」とか考えていた。
結果、サーバー参加者は300人を超えた。
それはもう大層驚いた。驚いたというより「やっべぇ……」という感情が強かった。たった一夜の出来事がきっかけで参加者が10倍に増えた。怖かった。
ついでにこの前日にこのようなツイートをしていることから、シキネさん(Twitter/note/個人サイト)がこの日に加入してくださったことが分かる。
そしてシキネさんが加入していることから、同時期にゲームのサイハテさん(Twitter/サイト/YouTube)、また翻訳者のおーちゃんさん(Twitter)が加入してくださったことも分かる。怖いね。
一挙に増えた参加者に対応するため、サーバーの整備を行う必要が生じた。特にサーバー内のルールの策定は、私が法科大学院生でもあるため、立法の練習も兼ねてガチガチにした。もし興味があれば、最終的なルールを閲覧できるリンクを閲覧できるようにしているので参照していただきたい。
その後は不定期に合同考察記事や二次創作企画、また参加者からの要望で線画交換企画、TRPGチャンネルの作成等々を行い、活動の幅を広げていった。
そうして色々サーバー内の整備や企画を行い、設立1周年の時点で参加者が550人を超え、最終的に700人を超えた。こうして数字でみると、Discord初心者が初めて作ったサーバーとしてはそこそこ大きくなったのではないかと思う。
その後2023年4月29日に、かねてより企画していた勉強会の第1回を行った。図書館には様々な知識を有する人々が多く集まっていたため、考察だけでなく現実の教養、知識、或いは単なる雑学を皆で話し合う、教えあうのも面白いのではないかと企図してのものだ。
初回は私自らが「著作権についての概説」を、第2回と最終回である第5回ではsivolさん(Twitter/note)による「中国史概説」と「中国官僚制度の解説」をして頂いた。
なお最終回は、図書館に参加していた人間によりNGA(中国の大型ゲームコミュニティフォーラム)に輸出された。無事海外デビューを果たした図書館だが、同日に解体されている(解体した)ので、申し訳ないとは少し思っている。
https://bbs.nga.cn/read.php?tid=37198328
第3回ではシキネさんによる「春節イベントから見る中国文化」の解説を、第4回ではシナリオライターでもあるdaptoさん(Twitter、同氏が設立したアークナイツTRPGサーバーについてはこちらを参照)による「お話の書き方」についての講座を行った。
教養を養おうということで少ないが映画鑑賞会も企画したが、これは『バーフバリ 伝説誕生』と『オリンピア』を見て終了した。思い返せばあれが一番映画を見て笑った時間かもしれない。
もちろん考察もした。特に大量に参加者が増えたあの日は、8チャンネル位が常に更新され続け、同一人物が4チャンネルに同時にいたりした。どうやら忍者も紛れ込んでいたらしい。
考察は例えばコストの概念はオペレーターが戦場に赴くための情報量なんじゃないかというもの、鉱石病の感染経路や発症機序についてのものがある。鉱石病のものは記事にして頂いている(春痴さんに感謝を)。
他にも英語表現との違いや、アーツとは何か、シーボーンや巨獣、神民について、各国家についてなどのテラの世界一般の考察の他、例えば大陸版イベントに登場した兵器の威力についてなど専門的なものもされていた。
以下の動画はDr.kamaboko(Twitter)により解体当日に投稿され、惜しくも十分な紹介が出来なかったものである。この考察の一部はサーバー内で事前に解説して頂いていた。
また多数のイラストも投稿していただいた。特にアル氏さん、ちりりんごさんは図書館のアイコンを、同人らに加え、けいろのさん、べにじかさん、らぴたんさん、鳥居さん等には数多くのイラストをお送りして頂いた。
そんなこんなで、振り返ればとても面白い体験と時間を過ごさせて頂いたと思う。本当に参加してくださった方々には感謝しかない。
そうして迎えた7月30日、最期の勉強会が終わった後残った数名で雑談をしながら、この非常に価値ある情報を教えてくれたツイートに従って、23時59分45分に愚人曲を流した。
そして迎えた同年7月31日、皆に惜しまれながら、アークナイツ考察サーバー「ロドスの図書館」のサーバー削除のボタンを押すこととなった。
失敗点
ここからはサーバー運営に当たっての失敗談を少し語らせてもらいたい。
1点目。まず上述したルールを見て貰った方には分かると思うが、ルールを細かくし過ぎた点が挙げられる。要はルールを理解しにくいのだ。
お手元にある六法を見てもらえばより実感しやすいと思うが、ルールというのは細かくなればなるほど覚えるのが難しく、覚えたいと思えなくなり、そしてそもそも読みたくないとなる。私は法科大学院に通い日常的に法律の条文に触れていたため、「これでもまだ粗いかな?」とか思っていたが、そうではないということに気付くべきだった。
法曹を目指す身でありながら画像の出典を記すことが出来ずに大変申し訳なく思うが、もしかしたらサーバーのルールはこのくらいで良かったのかもしれない。
2点目。サーバーへのコメント率の向上が出来なかった。具体的な数字を出すことはできないが、Discordのサーバーインサイト機能により、図書館でコメントした人数の割合は全体の1.5%程度、つまり98.5%の人間はROM専、或いはフリーライダーとなっていた。
この状態を改善するために、例えば攻略についてのチャンネルを設ける、ルールを緩和する、特殊なチャンネルを作るなどの対策をしたが効を奏しなかった。
その原因としては、上述のようにルールが細かすぎたこと、また私のルール適用が厳しかったこと、そして考察という行為それ自体のハードルが高かったことが挙げられる。特に最後の点の認識をいかに変えていくかが、サーバー管理者に求められていたのかもしれない。
3点目。参加者の中には考察に対する興味のグラデーションがあることにもっと早く気付くべきだった。考察をするにあたっては厳格に根拠を求める者もいれば、根拠は薄いかもしれないがこういう想像もできるよねというのを好むものもいる。また考察をするのが好きな者もいれば、見るので充分という者もいる。
つまり考察サーバーの運営をするにあたって考察しやすい雰囲気を作ろうとするならば、それぞれの層が混ざっても皆が気軽に話せる空気を作るか、そうでないならばグラデーションがあることを前提にいくつかの層(例えばガチ勢、ライト勢、見るぜぇ等)に分けるようチャンネル整備をするのが必要だったと思われる。
また投稿していただいた記事や動画、イラストについて感想を言う習慣、あるいは雰囲気を醸造することも出来なかった。皆そうであると思うが、やはり感想を貰えるというのは嬉しいのであって、感想を言うための雰囲気作りが甘かったように思える。
特に考察というジャンルであれば、出された考察についてどう思うか、それについて議論する、或いは先行してなされた考察を踏まえて自分ならどう考えるかを発表できることが重要となる。この点も図書館には欠けていたかもしれない。
サーバー設立のアドバイス
以上を踏まえて、仮に今後アークナイツの考察サーバーを設立しようとする人がいるならば次の点を頭の片隅に置いておくといいかもしれない。
サーバーのルールは緩くする。
議論のできる雰囲気をつくる。
感想を言い合える雰囲気もほしい。
参加者の考察への興味関心に合わせた区分けを。
下世話な話ができるチャンネルがあると発言率は高くなる
ただし注意してほしいことが一つある。それはルールを緩くするといっても許容すべきか否かの線引きはしなくてはならない。
例えばアークナイツにはJP版より約半年先行している大陸版が存在する。そして大陸版情報を追う者もいれば、大陸版情報を見たくない者もいる。これらの区分けは当然必要になる。
私は、グローバル版実装済みの情報のみを扱うとしたチャンネルで、何度も注意したにもかかわらず、大陸版情報をスポイラーもなしに投稿した馬鹿者共を3人BANし、数人追放した。
またいわゆる差別発言や罵詈雑言といった許すべきでない行為も当然ある。例えばこの画像を見てほしい。下から二番目の発言だ。
「ハーフキャラが多いのでwaifuを輸出している可能性を妄想しています」などど女性軽視も良いとこな馬鹿げた発言をしている。そしてこの人物は自身がすべきでない発言をしたとも理解できていないようで、続けて奴隷貿易風なことをしているのかもなどとも述べた。ちなみにこの人物はグローバル版で大陸版情報をスポイラーかけずに発言もしている。
このような人物は極々一部だと信じたいが、仮にこのような発言があったならば即座にBANをすることが、サーバーのためにもなると思われる。
ネガティブな内容となったが、重要なことなので気に留めていただければ幸いである。
まとめ
サーバーの運営は大変ではあるものの自分と好きなものが多い人との繋がりができたり、また当然好きなものの話がいつでもできる環境を自らつくることができる。当然大変さもあるが、それ以上に楽しさや満足感を得ることができる。
大変さを身をもって知っているため強くは言えないが、出来るならば第2第3の考察サーバーが現れることを、アークナイツの1ファンとして願うばかりである。
最後に、サーバーの副管理者であり主にbot等を利用できるよう設定してくれたスライムさん(Twitter/note)、ロドスの図書館のTwitterを管理してくださったアル氏さん(Twitter)に感謝の意を述べて、本記事を結びとさせていただきたい。本当にありがとうございました。
以上で1年4ヵ月と20日のアークナイツ考察サーバー「ロドスの図書館」の全ての活動を終了させていただきたいと思う。
管理人maruより
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