【アークナイツ】「DWDB-221E」考察—先史文明の発明と「魔王」「源石」の関係について
本記事ではアーミヤのモジュール「DWDB-221E」について、テキストから読み取れる情報と「魔王の力」および源石に関しての考察を試みる。
DWDB-221Eについて
テキストの解読
アーミヤのモジュールテキストより、これまで統合戦略で登場した秘宝「文明の存続」の本来の名が「DWDB-221E」であること、またこれが先史文明の研究者の手によって開発されたものと分かる。
その役割は女性研究者の「それは、私たちの時代やこれからの時代を、どう記録するのかな?」との発言と、「だけど今後は、奴らもおいそれと歴史を好き勝手飾り立てることはできなくなるさ。」との発言から、現在とこれからの文明、より分かりやすく言えば歴史の記録、保管と推測できる。
DWDB-221Eはプロジェクトコードであり、また「機械的で冷たい略称」といわれていることからプロジェクト名の略称、特に単語の略称と推測される。上記の機能に加え、「データベースとの通信プロトコルを確率した」との言葉も併せれば、DBはDateBaseの意である確率が高いと言える。
DW及び221Eについては推測できる情報がないため意味を推し量ることは難しいため、ここでは検討しないこととする。
*なおコンピューター処理のための国際的標準規格としてのUnicodeでは、221Eには数学記号の∞(無限/infinity)が割り当てられている。意図的なものか偶然かは知り得まいが、なかなか面白い結果である。
DWDB-221Eを利用したと思われる研究者が「私には見えた。君の過去を見て、それに共感し、君の感情もに触れたんだ。」と述べていることから、その機能は単なる歴史の記録・保管のみでなく、特定の人物の過去と当時の感情をも共有することが可能と考えられる。
先史文明の人々は少なくとも人工月の作成、亜空間移動の実現を可能とする程の技術力を有しているのも分かり、今の地球に存在する我々よりもずっと発展した文明であったことも明かされた。
DWDB-221Eの発現場面
このDWDB-221Eが引き起こす現象の一部は「黒い王冠」に見えるとのこと。この「黒い王冠」は、現在の保有者であるアーミヤの頭上に二度発現している。
一度目は7章においてPatriotがアーミヤがサルカズの預言に現れる「魔王」と確信し、殺害を試みる場面。
二度目は不死の黒蛇との戦闘でサルカズの君主クイロンの力を引き出した場面。アニメーション中の一瞬に「文明の存続」と似た形の王冠が描かれている。
どちらもアーミヤが「魔王」として取り上げられた場面であり、Patriotに対してはせめてもの手向けとしてアーミヤが知るはずもない家族の幻を見せた。他方クイロンの力を引き出した時は、クイロンの最期の記憶を見ることでその剣を具現した。同時にアーミヤはチェンの剣術を使用できるようになっているが、これは恐らく中枢区画に向かう途中で赤霄の鞘を見つけた際にチェンの記憶を見た故と考えられる。
いずれも過去の記憶を見る、感情を共有する過程を経ており、上述したDWDB-221Eの機能と同様の役割を果たしている。
「魔王」の地位の継承について
DWDB-221Eがアーミヤのモジュールとして実装されているのは、アーミヤがサルカズの「魔王」の地位を承継していることに由来する。
DWDB-221Eの所有の移転経路は、ケルシーのモジュール「Mon2tr」のテキストから推測が可能となる。
ケルシーはかつてカズデルで魔王の伝説に接触していること、「再び手にし」とのことから古の力(=魔王の力)、すなわちDWDB-221Eがかつてケルシーの手にあったことが分かる。
アーミヤはテレジアから直接に魔王の力を継承しているため、DWDB-221Eの経路としては歴代魔王→ケルシー→歴代魔王→テレジア→アーミヤとなる。
テレジアがどのようにして魔王の力をアーミヤへ承継させたのかは現状知り得えないが、JT8-2戦闘後においてアーミヤはテレジアに剣で胸を貫かれたと記載されており、これによって継承されたのかもしれない。
「魔王の力」との関係について
DWDB-221Eの機能が魔王の力であることを証明することは明言がないものの、「不死の黒蛇(=タルラ?)」の言葉からほぼその理解で間違いないと考えられる。
「記憶を汲み取る力」はアーミヤが自らの力を説明する際にも用いられた文言であり、双方向における伝達が可能なことはパトリオットへの行為から認められる。
先代魔王であり死亡したはずのテレジアは何かしらの方法により復活させられたところ、魔王の力を現在も有していることが11章の記述から分かる。
サルカズの魔王の力は断片的な情報しか出ていないため、それらを繋ぎ合わせて推測することしかできないが、ブラッドブルードの大君の発言からサルカズの万年の記憶と密接に関連すると推測できる。
上記の大君の言葉、またアーミヤがクイロンの力を発現した際に指輪が一つ壊れているが、アーミヤはこれにつき指輪を解放すると述べていることから、アーミヤはテレジアから与えられた指輪を身に着けることで、サルカズの万年の記憶が一気に頭のなかへ流れてくることを避けていると考えられる。
魔王の力がサルカズの記憶に由来すること、DWDB-221Eを有することが「魔王」の証であること、またDBがDateBaseの略称だとすれば、DWDB-221Eにサルカズの万年の記憶が蓄積されており、これを使用することで魔王の力が利用できると考えることもできるのではないだろうか。
ただしこの仮説が正しい場合、DWDB-221Eのデータベースとしての機能によって可能なのは過去の記憶と感情を閲覧できることであり、現在進行形としての相手の感情を感じることや、双方向の伝達をすることまでは含まれないはずである。
DWDB-221Eがあくまでデータベースであるとすれば、現在の相手の感情を感じることや双方向の伝達はDWDB-221E単独の機能ではなく、別の要因が存在すると考えられる。
この点一つの候補としてアーツが考えられるが、若干肯首しにくいところがある。まずアーツの本質については『翠玉の夢』で次のように語られている。
感染者である魔王は自らの感染した身体、すなわち体内の源石を媒介とすることでアーツを用いている。ただし対象は「外界の物質」とされているため、素直に解すれば「記憶」や「感情」は本来対象とならないというべきである。
*ただしロスモンティスのように特殊なアーツの可能性も存在するため、これはあまり強い根拠とならない。
また不死の黒蛇は「漆黒のアーツ、意識ではなく記憶を汲み取る能力」、「アーツを使いながら、まだ他人の思考を覗き見ることができるか?」と述べており、記憶を汲み取る能力とアーツとは異なるものと認識している。
そのため記憶を読む力はアーツとは別の能力と捉えるのが妥当と考えられる。
そこで、今回はその候補として源石を検討してみる。
源石の役割について
仮説
源石は英語でOriginiumであり、その由来は起源を意味する「Origin」からというのが推測される。この源石についてはフィリオプシスの回想秘録において、ライン生命の研究者が一つの仮定を提唱していた。
この仮説には一つの回答が出されている。
この記述から源石には情報、特に鉱石病感染者の生体記憶が保存されること、また源石に蓄積された情報が無意識に個人に統合されることがあると明らかになっている。
源石の機能として情報を保存できることは、データベースとしてのDWDB-221Eの機能と通じるところがある。
データベースとしてのDWDB-221Eがあり、個々の源石がその端末と仮定した場合、魔王の「記憶/感情を汲み取る能力」は端末としての源石に保存された情報を、DWDB-221Eの所有者=魔王がDWDB-221Eを通じて閲覧するという過程を辿ると考えられる。
検討
そこでアーミヤが当該能力を発動した場面を一部眺めてみる。(*網羅的ではないが検討に際し大きな問題はない)
4-8 ストレス反応 戦闘後:ショックで気が動転したジェシカに対して発動
7-18 愛国者の死 戦闘後:死にゆくパトリオットに対し発動
M8-4 うたかたの「意志」:暴走しかけたロスモンティスに対し発動
M8-8 夢からの「覚醒」戦闘後:赤霄の鞘に対し発動、チェンの記憶を見る
10-17 そびえたつ城壁 戦闘前:マンフレッドに対して発動(失敗)
まず非感染者のジェシカ、感染者のパトリオット及びマンフレッド、感染者だが鉱石病ではないロスモンティスに対し発動していることから、発動対象に鉱石病の感染/非感染は関係がない。
また赤霄の鞘という非生物に対しても発動している。赤霄が源石を鍛造して造られた武器という特色はあるが、発動対象として生物/非生物も関係がないと考えられる。
消去法ではあるが、アーミヤの能力の対象にある共通点としては源石の存在ということになる。感染者については源石結晶、非感染者であっても0.12~0.14u/L程度の血液中源石密度が認められる。赤霄という非生物に記憶は存在しないが、アーミヤがこれからチェンの記憶を見ていることから、正確にはアーツユニットとしての赤霄の源石に保存された情報として読み取ったと考えられる。
そうすると、情報が断片的であり推測が多くなってしまうが、データベースとしてのDWDB-221E、端末としての源石という関係はあり得るのではないだろうか。
*余談だが、源石は鉱石病の原因やアーツの媒介となるだけでなく、生物の形を今の姿に変えたことが明言されている。
源石により生命が今の形に変わったとするならば、生物と源石の生体記憶とが融合した結果として人間に似た姿へと進化したと考えることもできよう。
AMaについて
「AMa」について簡単に触れる。アーミヤのモジュールテキストでは、別の研究の存在が明かされた。それは「AMa」との略称がつけられていることのみが判明しており、それ以外は何も言及されていない。
現在確認できているAMaはケルシーのみである。ケルシーは「AMa-10」であり、AMaがあるプロジェクトの略称であることからすれば10番目に作られた個体という意味だと解するのが妥当に思えます。
AMaは正式名称が明かされていないが、DWDB-221Eと同様にプロジェクト名の略称であることから「A」から始まる単語と「Ma」から始まる単語との組み合わせと解するのが妥当だろう。
この点は何も資料がないため完全な推測となる。まずAMaの使命が「文明の存続」と同様に先史から続く文明を記録、保管し未来へと送り届けることにあると仮定すれば、テラにおいて文明を築いている人類、すなわち「先民」を意味するAncientsが候補として考えられる。
また上記使命から、「目印」や「記録者」「採点者」を意味するMarker、管理者や支配人を意味するManagerが思い浮かぶ。また、そもそもAMaのケルシーが現在の生命の発生前に存在していたことからすれば、プロジェクト開始時には先民がいなかったとなり、これを造りだそうとしたものとしてMakeも考えられる。
そうするとAMaは、Ancients Marker ProjectやAncients Management Project、Ancients Make Projectといった名称のプロジェクトなのかもしれない。
結び
以上アーミヤのモジュール「DWDB-221E」を軸として、その機能及び「魔王」、源石との関係について考察した。
現状まだ情報が断片的であり、多く推測に頼ることとなり考察としては穴の多いものとなっているため、あくまで参考程度にしていただければと思う。