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秋の散歩が気持ち良すぎて地球の裏側まで歩けそう

今日は期日前投票に行ってきた。投票にうぃくと外食をする界隈に、かれこれ25年くらいいるのだけれど、今日は外食をせずに薬局へ向かった。

口内炎が痛すぎるので薬を買いに。ローンで買った愛車なんてものはないので、のんびり歩きながら。歩くのは苦ではない。むしろ散歩大好きマンなので、遠回りして遠回りして、気が付けば一万三千歩ほど歩いていた。

歩くときはほぼ必ず音楽を聴いている。たま~~~に、本当にたまにだけ、街の音と言うか、人間の音を聞きたくてイヤホンをせずに出かけることもある。しかし、基本的にはイヤホンがないと外に出たくないマンである。

イヤホンと音楽さえあれば、大体一万三千歩までは休憩なしで歩ける。少し休憩をして、一万七千歩くらいまで歩いたら帰りたくなるのがいつもの流れだ。

歩いているときは、主に人間観察、街観察をしている。

今日見つけて頭に残っているのは、「僕は表札です!」みたいな顔して玄関に飾られているのに、よく見たらビブスに使われるようなフォント(ゴシック体)で、コピー用紙に印刷しただけだった、ジェネリック表札。
薬局で栄養剤の裏面を読み込んでいるおばあちゃん。

ジェネリック表札、実は二週間くらい前に見つけていた。通りかかったときに「そういえばあの表札どうなったのかな」と思って見てみたら、まだジェネリックだった。
ひとんちなのであまり近づかず、遠くからチラ見をするだけだからわからないけれど、あれはどう見ても紙だと思う。

この二週間の間に小雨が何度か降った。雨に耐えたのだろうか。それとも貼りなおしているのか。完成形はいつ来るのか。そもそも完成形を注文しているのか。ひとんちの表札について考える時間ほど無駄なものはないが、気になってしまう。あの表札。立派なものが届くと信じている。

薬局で栄養剤を吟味していたおばあちゃん。栄養剤と言うと、働く世代が働く気力をチャージするもの。働きすぎて疲れたときに飲むもの。食欲がないけれどなにかしらのカロリーを摂りたいときに飲むもの。風邪気味のときに飲むもの。

だから、おばあちゃんは栄養剤を飲むはずがない、とどこかで思っていたのだろう。意表をツンツンされ、頭に残っている。

考えてみれば、胃が小さくなっているであろうおばあちゃんおじいちゃんこそ飲むべきかもしれない。いや、元気の前借りともいうし、明後日くらいにへにょへにょになってしまうかもしれない。

栄養剤ひとつを配偶者か家族とわけわけするのなら大丈夫なのか。わけわけせずとも、二日に分けるとか、一口ずつ毎日飲むとかなら、ちょっと元気が出るくらいで反動は出ないのかな。

元気者でいようの気持ちが強いおばあちゃん。知らんおばあちゃんだし、実はめちゃくちゃどぎつい姑ババアかもしれないけれど、薬局で栄養剤をじっくり眺めている姿を見たら、元気で暮らせよ~~の気持ちになった。

あたしったら優しい……。




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真緒
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