見出し画像

国公立大学受験未来予想図

 近年の大学入試改革により、総合型選抜入試や学校推薦型入試が増加してきています。私立大学では、一般入試での入学者よりそれ以外の受験方式の入学者の方が多くなってきているそうです。国公立大学もその例外ではなく、多くの大学が後期日程をなくし、その分の人員を一般以外の入試方式に当て始めています。
 京都大学も法学部以外で後期日程を廃止し、特色入試を開始しました(法学部の特色入試が後期日程です)。私自身、特色入試を受験したことで今後の国公立大学入試・受験のあり方が大きく変わってくると感じました。 

 一昔前、国公立大学が第一志望の場合、
前期 第一志望
中期 出願する人はする
後期 安全圏
私立 滑り止め
という風に出願し、対策していたと思います。
 しかし、中期日程を実施している大学は少数で、後期日程を実施する大学も減っているとなるとこのやり方は段々と取られなくなっていくと思います。

例えば、
 第1志望 国立A大学 総合型選抜   前期   B判定
 第2志望 国立B大学 総合型選抜   前期   B判定
 第3志望 国立C大学 学校推薦型選抜 前期   A判定
 第4志望 県立D大学 前期      後期   A判定
とします。どのように出願しましょうか。

従来の考え方であれば、 

 前期 A大学
 後期 D大学

上のように出願するのがセオリーだと思いますが、今後のセオリーは以下のようになるのではないかと思うのです。

 総合型・学校推薦型選抜 A大学
 前期          A大学 or B大学 or C大学(確実性の高いもの)
 後期          D大学

 第1志望は総合型・学校推薦型選抜を受け、前期では志望度が比較的高く判定の良い大学、後期は確実な安全圏 という出願の方法です。
 つまり、従来の前期が総合型・学校推薦型選抜、従来の後期が前期に、という風にスライドしていくと思うのです。中期・後期日程を実施する大学がどんどん減っているので、前期までには決めておきたいという風にもなると思います。
 実際に、前期の募集人員を減らして総合型・学校推薦型選抜の募集人員を増やしている大学もあるので前期の難易度は今までよりも上がっていると言えるでしょう。総合型・学校推薦型選抜は合格すれば必ず入学しなくてはならず、この制約により事実上併願も不可能ですので、総合型・学校推薦型選抜受験のチャンスは1年に一度です。第1志望以外の大学で受験するのは得策ではありません。

 すでに総合型・学校推薦型選抜は珍しいものではなくなってきており、多くの人が今後も総合型・学校推薦型選抜を実施する国公立大学が増加すると予想しています。しかし、一般の対策もしながら総合型・学校推薦型選抜の対策をするのは容易ではありません。総合型・学校推薦型選抜のみを受験するという場合は除きますが、手広い対策は大変です。
 だからこそ、今後総合型・学校推薦型選抜の広がりとともに中高一貫の需要が高まっていくのではないかと予想します。長期的な計画で早めに学習範囲を終わらせ、一般と総合型・学校推薦型選抜の両方の対策をしていく必要が出てくると思います。また、授業だけでなくボランティアや留学などの課外活動が重視されるようになるとそのようなプログラムを持つ学校が人気になってくるでしょう。さらには、塾や予備校の在り方も変わってくると思います。現在でも小論文や面接などに特化した指導塾が存在しますが、その需要がさらに高まってくると思います。
 大学入試の多様化はその周囲の教育の多様化をももたらすと予想しています。

 余談ですが、私個人としては一般入試と総合型・学校推薦型選抜入試の間に優劣はないと思っています。私が総合型・学校推薦型選抜入試合格者だからというのもあるかもしれませんが、大学に入ってから一般入試合格者との間に差を感じたことは一度もありません。
 総合型・学校推薦型選抜入試の割合が増えてきていますが、一般入試も絶対に残すべきです。あれほど勉強する機会は人生にそう何度も訪れるものではありません。特色入試で合格はしましたが、一般入試に向けても勉強し続けたあの期間が私の基礎を作っています。「厳しい」「苦しい」と分かっていても挑み続けることがその後の人生の糧になると思うのです。

 最後までご覧いただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?