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読書記録(空白を満たしなさい上下)
主人公の徹生は復生者。
復生とは死んだ人が生き返ること。
復生した徹生は自身の死因を突き止める。
自殺。
とても幸せに暮らしていた自分が自殺したとは...。
徹生は様々な人々との関わり合いの中で形成されていく色々な自分の存在を認識する。
その中で自殺したことに納得する。
復生した人間は忽然と姿を消してしまう現象が起きる。
自分も2度目の死を向かえるのか...。
いつ消えてしまうのかわからない中、家族や友人などの中にどんな記憶が残るのか。
死んでしまう人が願う生きている人に残って欲しい記憶、
それは生きている人の人生を窮屈にしたりしないか?
なかなかに考えさせられるテーマです。
平野啓一郎さん、良いですね。
『ある男』も読んでみよう。