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マイプロって何?
HILLOCK内外でマイプロを研究したり、マイプロを中心に発信したりするようになった中で、「そもそもマイプロって何だよ!」という問いをいただく機会が星の数ほど増えました。
これらを受けて、「言われてみれば一般的な用語ではないのだな、きちんと分かるように届けねば。」と反省している次第です。それと同時に、そもそもマイプロとは何なのか、世間一般ではどう使われている言葉なのか、まーてぃがどう解釈しているのかについて述べようと思い立ち、この記事を書き始めました。
マイプロとは?
そもそもマイプロとは何か。それは、「マイプロジェクト」の略称であり、いわゆる個人探究のことです。探究はチームで行うこともありますが、個人で行うものをマイプロジェクトやマイプロと呼ぶことがあります。
学習者が自身で立てた問いや課題を解決していく中で学んでいく探究(学習)の一形態です。プロジェクトという言葉を使うのは、PBL(プロジェクトベースドラーニング)とも重なる部分ですね。
「マイプロとはこうである」という明確な定義がある訳ではなく、実践する場や組織によってその意味合いは様々です。よって今回は、様々なマイプロの定義を紹介していきます。
学校
まずは、学校で実践されているマイプロの定義を紹介します。
一条校の中で総合的な学習の時間に個人探究に準ずる取り組みをしている学校も増えてきています。渋谷区のシブヤ未来科や天童中部小学校のフリースタイルプロジェクトなどがその例です。
ですが今回は「マイプロ(またはマイプロジェクト)」という名前で取り組んでいる学校のみを取り扱います。
HILLOCK
私が所属するHILLOCK(初等中等部共に)ではマイプロの時間があります。HILLOCKでは、マイプロを以下のように表現しています。
「自分が興味をもって自分で選んだ内容をとことん深く探究していく」
「自分の『やりたい』を突きつめる学びをします。」
HILLOCK初等部 HP「HILLOCKの一日」
「マイ」プロと名の付くように、「自分」という言葉を軸に、突き詰め、探究する学びだと言えます。
だからと言って個人で取り組まなければならない訳でなく、複数人で取り組むことも可能です。
ラーンネットあーる
兵庫県神戸市に位置するオルタナティブスクールのラーンネットあーる。こちらでマイプロは以下のように示されています。
「自分の興味関心をベースにとことん探究するカリキュラムです。」
こちらも「自分」という言葉から始まります。
軽井沢風越学園
長野県軽井沢市にある軽井沢風越学園ではマイプロジェクトの時間があります。は、以下のように示されています。
「子どもたちはこれまでの経験を通して、「マイプロジェクト」のことを「自分のやりたいを究める時間」「自分で自分の問いを深める時間」「苦手なものもやってみる、探検・研究の時間」などと表現しています。」
ここでもやはり、「自分」という言葉がよく出てきます。そして究める、深める学びであることが分かります。
HILLOCKやラーンネットあーるでは「興味」や「やりたい」という言葉が出てきましたが、ここでは「苦手なものもやってみる」という視点が入っているのが面白い点だと思います。
民間企業
マイプロは学校だけでなく、民間企業でも実践されていることがあります。Google検索で調べただけでも多々見付買った、今回は上位に表示されたサイトからいくつか事例を紹介していきます。
ユタラボ
一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー(通称ユタラボ)は、「ライフキャリアを考えて、体現できる力を、すべての若者に。」をミッションに掲げる団体です。
ユタラボでは大学生が取り組むマイプロに伴走する活動があり、マイプロを以下のように表現しています。
「自ら主体的に行う事業」
「住んでいる地域や身の回り環境で「もっとこうだったらいいのにな」という想いをカタチにすること」
学校のみならず、社会にも影響を及ぼしていく活動のようです。
カタリバ
NPOカタリバ法人は、「意欲と創造性をすべての10代へ」をミッションに掲げるNPO法人です。
カタリバでは、マイプロを以下のように示しています。
「身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、 探究型学習プログラム」
「「主体性(オーナーシップ)」と例え小さくても実際に「行動を起こす(アクション)」ことを重視したプロジェクト型学習(PBL)。」
NPOカタリバ HP「マイプロジェクト」
カタリバ内には、「マイプロジェクト事務局」という組織もあるようです。
マイプロ研究会
Google検索で調べている中で、マイプロ研究会という見付けました。こちらではマイプロを以下のように示しています。
「学習者一人一人が『私のプロジェクト』を創り実施することを通して学んでいく」自己発見を起点とした全く新しい方法論」
こちらでは、自己発見することにフォーカスしています。
要点を抽出すると
様々な場や組織におけるマイプロの定義を見てきました。ここで私なりに要点を抽出し、一般的な教科の学びと比較して考えていきます。
好きや興味関心から自分でテーマを選ぶ。
主体的に、時には社会と繋がり実行を通して学ぶ。
活動を通して、探究的にテーマに対する理解を深めていく。
以上のような要素が、マイプロの要点と言えるのではないでしょうか。
私見
ここからは、私自身のマイプロに対する捉えを述べていきます。まだ見ぬマイプロもあるでしょうから、更新の余地を残しつつ、暫定の解を残します。
探究の足腰を鍛える機会
一つ目は、探究の足腰を鍛える機会としての捉えです。
マイプロはこれまで見てきた通り探究(学習)の一形態です。これ自体が探究とも言えますが、探究は一人でなく、複数人と進めることもあります。
いきなり複数人で取り組むこともできないことはないですが、個々人が探究の経験をもっている方が、より効果的に探究を進められるのではないでしょうか
そういった意味で、マイプロは探究の基礎を養う、足腰を鍛える機会だと捉えています。
より善く生きるためのツール
もう一つは、より善く生きるためのツールであると考えています。私自身、探究をそう捉えているからであり、探究の一形態であるマイプロもそうであると考えます。
これについては、以下の記事で詳しく記載しています。
まとめ
ここまでマイプロについての概要をお伝えしてきました。様々な解釈や捉え方がありますが、基本的には「一人で行う探究(学習)」といったところに落ち着くでしょうか。
今回取り上げた内容以外にもまだ見ぬマイプロが存在すると思いますので、ぜひご自身でも調べたり触れたりしてみてください。
大人のマイプロ研究所について
私まーてぃは、今回説明したマイプロに大人が取り組む場を運営しています。その名も「大人のマイプロ研究所」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1729466944-eRC64rI8xdOMyYhgTnvUVfma.png?width=1200)
「大人が探究の手触りをもつこと」や「学習者の探究を支えられるようになる」目的としています。
毎月テーマを設定し、個々人で探究。月末に発表という一連の流れを通してマイプロや探究を理解していく活動です。
ご興味があれば下記リンクからご参加ください。いきなりプロジェクトに参加せずとも、まずは様子を見るだけも大歓迎です。
オープンチャット「大人のマイプロ研究所」
https://line.me/ti/g2/1Rgt9CyDN73HOTWCIG-K0rljC8eP4cfxRdRdsw?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default