ドナルドトランプ大統領、誕生の日 in NY1
2016年11月8日
僕はNYのジョン・F・ケネディ空港に降り立った。
この日が、世界が震撼する日になるのだが
ドナルド・トランプ大統領が誕生した日だ。
そんな重要な日にもかかわらず、そんな事は
何も知らずにNYを訪れていた。
「なんか、やけに空港が混んでるな」
セキュリティゲートの行列が異常に長く
1時間以上は待たされた。
そこからタクシーでNY市内に入って
すぐに事態を知らされた。
沖縄の友人からメッセンジャーが届いた。
「大統領選の日だから、開票の時はタイムズスクエアとか
人が混みいる場所に近づくなって、政府から通知が出てるよ」
なるほど、それで空港が混んでたわけだ。
しかし、禁止されると余計にやりたくなるのが
男の子の本能だろうか。
「ここで事故にあったり、死ぬのなら
そこまでの人生だったという事」
一緒に訪れた友人と共に、そんな現実を
見えていない平和ボケ感覚で、開票時間には
街に繰り出そうという事になった。
僕がNYを訪れたのは、この時が初めて。
アメリカ本土も初だったし、あらゆる経験を
積んでおきたいと感じていた。
現地で1人の日本人に出会った。
一緒にNYを訪れた友人の、中学時代の友人の女性だ。
彼女は雑誌ボーグの出演者のメイクをするなど
その世界で、一定の活躍をしている人物だ。
NYに住んで10年という
彼女に選挙について聞いてみると
「私の周りはみんなヒラリー派
トランプなんてありえないって論調だから
ヒラリーで決まりだと思う」
との事だった。
今となっては、これが覆るのは見えているが
聞いた時は「やっぱりそうだよね」と思った。
・・・
夜になり、僕たちは3人で街に繰り出した。
たまたま見かけたバーに入ってみると
TV中継を流して、多くのニューヨーカーが
開票の様子を見守っていた。
「あーでもない」「こーでもない」と言いながら
お酒を飲んでる感じだろうか。
その様子は、日本で例えるなら
サッカーの日本代表の試合をお酒を飲んで楽しむ
そんな雰囲気に近かった。
何が驚いたかって、選挙に対する熱量だ。
日本では、政治の事なんて
ほとんど気にしてる人はいない。
まして「自分の投票で未来が変わる」と
感じてる人は皆無に近いと思う。
だが、NYの彼女もそうだったが
移民に対して強い姿勢を示すトランプの当選は
自分達にとって、関連の深い話だった。
NYには移民も多いらしく、選挙結果は
自分達の生活に直接、影響を与えかねない。
だからこそなのか、いや基本として
彼らは選挙に対する関心・興味がとても深い。
民主主義の国だから、自分達の声が
国を変えると信じているように感じた。
・・・
そういえば、余談ではあるがNYでは
街中でそこら中に、星条旗が掲げられていた。
選挙だからかもしれないが、とにかく多かった。
日本でそんな光景は見た事がないし
僕は、それらを見て
「なんて国を愛してる人たちなんだ」
「アメリカを愛してるんだな」
そんな風に感じた。
日本で、こんなにも
日本を愛してる人がいるだろうか?
戦争で、日本にアメリカが勝ち
GHQが入ってきた時に
「我が国」
という表現を徹底的に禁止したそうだ。
今では多くの日本人が日本について語る時
「この国」と表現している。
英語でいえば「my country」ではなく
「This country」という表現になる。
この国、とはなんとも他人事のような響きだ。
現代で「我が国」と日本を表現しているのは
天皇陛下くらいになるだろう。
国への愛情に比例して、政治への関心が
高まっているようにも感じた。
・・・
長くなったので、またアメリカの選挙や政治、
トランプ大統領誕生の時の、NYの様子などを伝えたい。
つづく。