居なくなったアナタ・身代わりのキミ
忽然と消えた。
さっきまで居たはずなのに。
帰る車の中で、
アナタに触れたのを覚えている。
香りを覚えている。
どうして、
突然居なくなってしまったの。
探した。
必至に探したの。
みんなで一緒に探した。
居そうな場所を只管に。
そうしたら、
まさかの相手が見つかった。
正直に言うね。
キミが居ないことには気がついていなかったんだ。
ごめん。
こんなにも無惨な姿で見つかるなんて。
本当にごめん。
あつかったでしょう。
寂しかったでしょう。
ごめんね。
アナタのおかげで、
キミを見つけた。
アナタが身代わりに教えてくれたのかもしれない。
アナタのことも、
キミのことも、
忘れません。
本当にごめんなさい。
買って、
帰りの車内で即開封し使用したリップクリームが見つからず。
車か、
家の中か、
車から家の間しか居なくなる場所はないのに、
一晩で忽然と姿を消した。
鞄をひっくり返し、
洋服のポケット、
洗濯機、
車内、
外を探した。
車内の捜索に出ていた子どもの手に持って帰ってきたのは、
リップクリームではなく、
見た目は綺麗なままの、
３個パックの納豆でした。
賞味期限は９月。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
リップクリームは無事発見されました。
何故かゴミ箱の底に隠れていました。
ふしぎ〜