激動の半生part4
ロケット開発を始めてみる
2014年6月、湯島で宇宙旅行や宇宙葬などについての説明会があり、それに行くことにした。そのイベントで有人ロケット研究会の箱田さんに出会った。その年の12月にスペースシャトル見学ツアーがあるというので参加してみることにした。その際有人ロケット研究会からロケット交流会に招待されたので行ってみた。大学、企業などのロケット開発を展示する企画なのだが、その中に武蔵野ロケットクラブという社会人サークルも出展していた。個人でも小型のモデルロケットの製作、打ち上げができるし、アメリカで大型のロケット打ち上げもやっているというので、入会することになった。
ブラックロック砂漠へ
そして2016年9月、念願のアメリカ、ブラックロック砂漠でロケットの打ち上げをすることになった。本来はその前の年に行く予定だったが、主催者が旅行を突然キャンセルしたので、1年待つことになった。ブラックロック砂漠で最初に打ち上げたロケットはquicksilverというエンジン径38mmの中型ロケット。片手で運べるほど軽いものだが、これでも日本では打ち上げるのが困難で、日本では火薬を使ったロケットに対する規制が厳しいことがわかった。この年は単にロケットを飛ばしただけだったが、次の年にtripoli rocketry associationのL2の資格を取り大型のロケットを打ち上げられることになった。
つくばの仕事
さて、その頃私は無職になったりサラリーマンになったりを繰り返していた。つくばに引っ越して最初は小森コーポレーションという会社の知的財産部で派遣社員の仕事をしていたが半年で契約が終了。失業手当を満額もらって、たまたまJAXAの筑波宇宙センターで派遣社員の仕事があるというのでそれをやってみることになった。私が配属されたのはキューブサットの審査をする部署で、その仕事をやっている間にリーマンサットというグループの審査にも関わることになった。リーマンサットといえば、ロケット交流会にも出展していたし、例の箱田さんがメンバーになっているところでもある。リーマンサットのホームページを見ると誰でも参加していいと書いてあったので、2017年11月の定例会に行ってみることにした。
リーマンサットでプロジェクト結成
リーマンサットはいわゆる社会人サークルで自由な雰囲気のところだ。参加者も多く、いろんな人がいる。そこではなんでもプレゼンというのがあって誰でも自由に発表できるというので、2回目(2017年12月)に私がやっているブラックロック砂漠でのロケット打ち上げを紹介してみた。すると意外に受けが良く、いい感触だった。ちなみにその頃はリーマンサットはキューブサットを作成することだけだったが、新しいプロジェクトを作っていいというので、2018年3月ブラックロック砂漠で打ち上げているロケットをプロジェクト化してみた。
前途多難なロケットプロジェクト
さて、プロジェクトを立ち上げたものの、どうすればいいかわからない。どうせなら高度100kmまで到達するロケットを作りたいが、アメリカでやるべきか日本でやるべきか迷った。今から思うとプロジェクト化するのが早すぎて、もう少し調べてから始めた方が良かった。というのは、L2で打ち上げるロケットはあまり人手がかからないので、プロジェクト化しても他のメンバーに与えるタスクの割り当てが難しかったからだ。なので、他のメンバーには私とは別のロケットを作ってもらうことにしたが、これが大失敗。途中でやめてしまったり、製作に失敗する人などが続出。2019年9月の大会ではほかのメンバーも加わってみんなのロケットを打ち上げようという計画だったが、結局私一人で自分のロケットを打ち上げるだけになった。それでもtripoli rocketry associationのL3の資格を取ることができて、次の年のロケット開発につなげることができた。プロジェクト辞退者が続出した悪夢を振り払い、これから新しい道を切り開いていきたい。
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