初めまして
私は、長年日本語教師として海外の人に日本語を教える仕事を続けている。私自身はずっと日本にいて、留学経験もないし、海外赴任の経験もない。海外は色々な国に行ったが旅行や仕事でだ。しかし私は英語が話せる。ドイツ語も話せる。韓国語も旅行会話程度だが、話せる。挨拶程度も数に入れていいなら中国語、フィンランド語、他にも色々ある。どうしたら英語が話せるようになるのか、たくさんの人からいつも同じ質問をされる。その答えは、どうやったら話せるようになるか私は知っているからなのだが、その説明は長くなる。
学生時代には日本語教師になるために勉強していた。そこで学んだ外国語教授法や、音声学、言語学などを通して、思いついたオリジナルの学習法を自分を実験台にして自分自身に試した、としか言いようがない。だからなんとなく最初から「少し話せた」のだ。そして日本語教師として主にヨーロッパ人との関わりを毎日のように続け、日本人よりも彼らと過ごす時間が長い人生になった。そうしたら、いつの間にか英語も話せるし、ドイツ語も話せるようになっていた。ま、いつの間にかというのは嘘である。ドイツ語はかなり勉強もしたし、レッスンもたくさん受けたので。
多くの日本人が「英語を話したい」「英語が話せるようになりたい」と言う。そして私が知る日本語学習に取り組むどの国の人よりも努力をする。だけど話せるようにならない。悲しいほどに昭和の頃から変わらない。それを助けても私にはなんの利益も無いし、私一人の力が及ぶ範囲は限られているし、他のことに時間を使ったほうがいいかもしれないが、何年経っても「なんとかしたい」という私の中から湧き上がってくる「熱」のようなものをなぜか消し去ることができない。デジタルデトックスをしたいのに、こんなものもまた始めてしまった。
私がここで文字としてまとめたいことは、ただ一つ。私がここ1年ほど、音声配信を通じて話し続けてきたことを整理し、体系化したいということ。日本人が日本国内でも英会話ぐらい習得できるようになるために本当に必要だと私が考えることを言語化してみるつもりだ。文字で。