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将棋と動画配信サービス

以前に病室で何をしているかを書いた時に将棋チャンネルを観ていると書いたが熱心な将棋ファンでは勿論無いし、特に将棋が好きという事もなく、ただ将棋を指せる人なだけだ。家にはマグネット将棋盤があるが最近使った記憶はない。

 じゃあなんで観てるのか?ミーハーだからです。と答えたんですが、なんかミーハーって死語らしいですね。最近だと「にわかファン」の方が伝わりやすいとか。ちょっと横道に逸れましたが、藤井聡太5冠の活躍をニュース等で見聞きするようになってから興味が出てきたんだと思う。

 そんな時に藤井5冠のタイトル戦が今日から始まりますとテレビで流れたので、すぐにネットで調べたらABEMAの将棋チャンネルがタイトル戦をLive配信している事を知った。
 パソコンに映し出された映像はNHKの将棋番組の映像とは違ったところがいくつもあった。
 まず目に入ったのがAIによる優勢判断だ。画面上部に58%対42%で先手が優勢とはっきり表示してあったので将棋を全く知らない人でも、これなら、「今は藤井君負けてるんだぁ」と%を見るだけで言えたりするのだ。
 画面右には次に指すべき最善手が順に5候補ほど表示されていて、その横に指すと%の値がどう変化するかまで表示されている。1番上を選べば変化なしだが2番手を選ぶと−8%とかになってしまったり、場合によっては最善手以外が全部−20%とかもあったりする。
 これら全てが将棋ソフトのAIによる計算なのだが、最善手もすぐ決まる訳ではなく、読みを繰り返していくと別の手に変わったりする事がある、次の手の読みの回数も表示されているのだが、例えば5四銀 680億手(24分)とか出てるので、AIならではというか、そこまで先を読んで最善手を探しているのかと驚かされる。

 全くの素人でも、次にマイナス評価の手を指したら劣勢になるなとか、ハラハラしながら見れるのが面白いと思った。実際に2時間長考した後で−20%の手を指した場面を見た事があって、視聴しながらコメントを残せる仕様になっているのだが、その時はコメント欄が大騒ぎだった。

 ただAIも時々、変な手を薦めてくる時があって、序盤も序盤に相手にタダで「角」を渡す手を最善手としていたが人間にとっては頭の片隅にもない手にしか見えなかったりするのも面白かったりする。時にAIと全く違う手を指して、一時的に%が下がっても後に優勢になるとAI越えの一手だとかの騒ぎになったりする。
 終盤、最善手を確実に指し続ける藤井5冠を見ていると、全然間違えないなぁと本当に感心する。

 どちらが優勢なのかが目視できる事で、これまでの将棋中継なら、多少詳しい人でも難しかった形勢判断も、誰が見てもわかりやすくなった事でエンタメ性が増して番組として成立しているので見ていて楽しい。ただ一手指すまでが長い長い。

 もちろん棋士が考えている間に大盤を使っての解説が殆どの時間を占めるので手が進むまでは解説者2人の雑談とかを聞くことになったりもする。おやつや昼食メニューの紹介とかの話を挟んできたりとか。開催場所の名物の紹介とか。

 試合時間は朝から夕方にかけてだから、絶対に地上波では放送出来ない。ところが動画配信サービスなら、それだけを延々と流す事が可能だ。今では将棋連盟の専用チャンネルみたいになっている。動画配信サービスのコンテンツ補充と日本将棋連盟の思惑が丁度重なったのだと思うし、相性は抜群に良い。

 さあ今日は王位戦、七番勝負の第四局の勝負が決する2日目。
 1日目は51%対49%で藤井王位がちょっとだけ優勢で折り返した。藤井王位が勝てば3勝1敗とリーチをかけるが、果たして結果はどうなるか?
 ずっと見続ける訳ではないが朝から1日中楽しめそうだ。


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